珍走族に見るこの島の気質

大昔に比べれば絶滅危惧種に指定されてるであろう珍走族。彼らが車両をどう改造するのかをよーく考えると、どうもこの地域の島(日本列島)の気質…ひいては問題点が浮かび上がってくるような気がしたので、チョイとまとめてみる。

珍走族…特に四輪方面だとやはり有名なのは竹槍とか出っ歯だろうか。最近では極端なネガキャン(ネガティブキャンバー)もその範疇かなと思っているのだけど、これらに共通するコトは、いずれも「元々は別に意味があってやってるコトだった」という点だろう。出っ歯はレース用のフロントスポイラを延長したものだろうし、ネガキャンも本来レースのコーナリング対策のためのセッティングだったものが極端な角度になっていると見ていい。竹槍は少し微妙だが、単車のマフラーをカチ上げた(これはレースでバンク角度を稼ぐため)ところか、もしくはホットロッドなんかでエンジンから直接生えてる排気管が全部斜め上にされてたトコ(こっちは元の理由を知らない)からだろうか。

やたらとブンブン煽るのは、昔のレースマシンには実はアイドリングの機能がないために、スタート前はああして煽っておかないとエンジンが止まってしまうのを真似してるワケだろうな。

いずれも、本来の意味を外れて(もしくは知らずに)外見的なカタチだけを真似し、さらに極端な方向に変形させているという共通点があるんぢゃないだろうか。フロントスポイラにしてもキャンバーにしても、長ければイイってものではないし、寝かせればイイってものでもない。でも、こういった人たちは独自の解釈(苦笑)でひたすら長くしたり寝かせたりする。なぜなら、本人たちには本来の理由はわからないので、自分たちが理解可能な面だけで優劣を判断するしかないからだろう。

あれ?こういうお話、どっかで聞いたコトないですかね。信頼性を向上させなければならないって言えば、どこまでも信頼性ばかりチェックしてガムシャラに突き進んで行くとか、管理が必要だと言えばどこまでも管理しまくってしまうとか。そのくせ、それが実際には何のためにやってるのかについてはついぞ疎かで、あまりに先鋭化したために別の方向へは全く展開できなくなって没落するとかね。

またその影響で、周囲からミスを指摘される(=信頼性ダウン)コトを極度に怖がり、ミスがあるのに全て覆い隠したり、逆にミスした者を徹底的に糾弾して再起不能にしたり…自分たちが理解可能な判断基準が「ミスしたか否か」しかなく、どうしてミスに至ったのかとか、複雑なコトを考える気がない…とかね。

…珍走族と、思考パターンが何ら変わらないのではないだろうか。挙句になんでもかんでも「〜〜道」なんて名前で妙に求道精神まで焚きつけるワケだ。どう考えても思考のベクトルがオカシな方向を向いているとしか思えない。

いわゆる研究レベルでの求道精神はとても大切だと思うが、それはそこでだけ意味があるコトであって、世の一般に求めるコトではない。試行錯誤しながら何かを生み出す場面では、むしろ求道精神が非常に求められるのだが、物事は適材適所である。研究レベルで正しいものが一般で正しいワケではない…というか、むしろ大半は正しくないんだと思う。技術を研ぎ澄ませた先に新しい現象が発生するなんてのは結構好きなシチュエーションではあるけどさ。

結局のところ、本質を捉えず目先のコトばかりに集中し、その結果変な方向に研ぎ澄まされすぎて簡単に折れてしまう刃物のような状況ってのは、誰も幸せにしないのではないだろうか。なんか、この気質がこの島の元凶の一つ…それも、結構大きな一つなんぢゃないだろうかと思う今日この頃…。

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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