[Essay] アニロボトロニクス

最近ツイッター方面の一部でアニマトロニクスに関わってる方の若い頃のお話が話題なんだけど、それを読んでるうちに、自分がやってるコトに名前がついた気がしたので記してみる。

アニマトロニクスってのは現実に存在する動物の動きをロボティクスで再現するような活動を指すようだ。どういう理由で再現するのかはともかく、実在の動物の動きと形状を模写/再現しようとしているコトに違いはないと思う。その手法も別のお話としてね。

で、ここ10年ぐらいずーっとヲイラ自身がやってきた二足歩行系のロボットの目標に、たぶん適切なジャンル名ができたと感じたんだよね。こんな用語があるのかどうか知らないし、検索しても不思議なサイトしか引っかかってこなかったんだけど、それが「アニロボトロニクス」かな…と。

端的に言えば、アニメに出てくるようなロボットの形状と動きをリアルに表現したい…というトコロか。単純な形状再現ではなく、現実に即した形でオリジナルの機体を作る事を目指している。つまり、既にキャラとして存在しているガンダムに代表されるような形状をコピーしたものではなく、「アニメの作中に出てくるような外形を持ち」「それなりに即した動きができ」「単独で存在感がある機体」という感じ。だからガンダムトロニクスでもなければマクロストロニクスでもなく、アニロボトロニクスかなと思ってる。

多くの場合、アニメに出てくるロボットってのはとても荒唐無稽な動きをしてる。ごく一部にはとても理にかなってる感じがするものもあるけど、それでもまだ現実から見ればおとぎ話だ。あんな動きができるまでには、まだまだ道は遠いだろうし、エネルギーは足りないし、部材の強度も足りない。

しかし、ビジュアル的なカッコ良さの手本はやはりソコにあるし、その動きや見栄の切り方も含めてカッコ良いものなので、できるだけそういったモンを取り入れたい。

一方、10年ぐらい前から開催されているROBO-ONEに代表されるような二足歩行ロボットの格闘競技大会を見ていると、初期の頃や今でもごく一部においてはアニメのロボットをリスペクトした機体もあるものの、現実には勝ちに拘るとそういうのは「余分なもの」として排除され、人型として見た場合に異形の形状になっていることは否めない。

もちろん、競技会としてはこれはこれで全然OKであるし、これまでにもここから見えてきたコトは多数ある(というより自分自身もそこをベースにしている)し、今後も発展していってもらいたいものなんだが、一方で徐々に「ヲイラが作りたいロボットは本当にソレなのか?」という疑問がもたげてきたんだよな。

別の観点からいくと、これも10年ぐらい前にヲイラ自身もお仕事で関わった鉄人28号の二足歩行ロボットに関しても実は違和感を抱いたのよね。それは「骨格と外皮」という違和感。つまり、外形や外装がそのロボットとしての機能にはなんら関係がなく、ただ着せ替え人形のように「着てるだけ」だという事実。

これは例えばプラモデルにも言えるコトで、飾りとしての「ハッチ」を「それらしく見せるために」モデリングする事は多々あるんだけど、実際に意味があるワケではないよね。動かないプラモデルならまぁそれもOKかなと思うのだけど、実際に動くロボットでのソレは違和感を感じてしまうワケ。

だから、作った機体のハッチを開けば電池交換ができるようになっていてほしいし、メンテで分解する時もユニットごとにバラせるようになっていてほしい。動きについても、それなりにカッコイイポーズがとれて欲しいし、イメージされる様々な動作ができてほしい…さすがに空を飛ぶのはまだまだ厳しいだろうけど。

で、こういう機体に一番近いのは実はドール系の機体だったりする。なぜなら、ドール系の機体は基本的にはバトル云々よりもその動きの自由度確保…より艶かしい動きができる構造へと進化してるからね。ある意味、ドール系ロボットオーナーが自身のカワイイ機体を愛でるように、ヲイラはカッコイイ機体を愛でたいワケだ。

また、模型の世界で言えばいわゆるライブスチームの機関車なんかが、目指す方向性が近い気がする。特にスケール系ではなく、フリーランスの奴ね。模型のジャンルに入ってはいるしとても小型版だけど、それはレッキとした本物の蒸気機関車なワケだ。ソレの人型ロボット版を目指したいと思ってるのね。

この機体は、こういったコトを念頭に置きながら設計/製作したもの。ただ、実は二つ残念なコトがあって、一つは頭部が事実上のダミーであること、もう一つはモータの能力がイマイチであまり動けなかったこと。

最近になって、やっとモアパワーなモータが手に入るようになったので、コレの二号機の設計を開始している。今回はCNCなアルミ部品だけでなく、3Dプリンタの部品も多様していこうと思っている。やはり意匠をつくるには強いからね。

以上

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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