2004/Jan./29


●バッテリーパックの作り方

<<警告!>>

この作業は非常に危険な作業です。場合によっては腐食出火爆発の原因にすらなりえます。ここではワタシのやり方を紹介しますが、これを真似てなんらかの問題が発生したとしても、ワタシは一切責任を取りません。

電池にハンダ付けする事は電池メーカーの保証の範囲外であるのみならず、性能劣化の原因にもなります。それが原因で最終的に爆発というケースもあり得る事をよく認識しておいてください。通常、メーカーが電池を連結する時に、スポット溶接などのほとんど熱が伝わらない方法を取っているのもそのためです。

また、作業前に全ての電池の電圧等を確認してください。きちんと放電されているかどうかを確認してから作業に取りかからないと、思わぬショートで強烈なスパーク/出火する事があります。それに、充電バランスが狂ったままパックにすると、パックを充電する時に一部の電池だけが過充電状態になったり、逆に放電時に一部の電池だけが過放電状態になったりして、やはり爆発等の原因になります。

同様の原因で液漏れ等が発生することもあり、これは周囲に腐食等の被害を及ぼす可能性が高いです。

改めて警告しますが、全て自己責任のもとに全ての作業を行ってください。

用意するもの

  • 電池
  • マスキングテープ(紙のもの。ビニール系は熱で溶ける可能性があるので不可)
  • ハンダ吸取線(使用済みで可)
  • 電線(耐熱被覆が望ましい)
  • 熱収縮チューブ(物干竿の修理用が安くてグッド、ペットボトルのラベルも可)
  • ハンダごて(60Wクラス 個人的にはセラミックヒーターのものが使い易い)
  • ハンダ
  • ピンセット等のくわえる工具

ハンダ吸取線について

電池間の配線材料に関しては、昔からイロイロな方法を試した事がある。最初は普通の電線だったが、被覆がないとバラバラになるのに、電極へのハンダ付け中の加熱で被覆が溶けやすい事や強度的に電池の位置を固定しにくい事から使わなくなった。次に真鍮等の3mm幅の薄い板を使っていたが、ハンダ付けしている時にしなやかさがないために、隣の電池の前後方向の位置がすこしでもずれていると、うまく電極側のハンダを溶かせずハンダ付けしにくかった。

ハンダ吸取線は、アミ線なので被覆がなくてもバラけないし、ハンダメッキしてしまえば固定強度が出るし、ハンダ付け中はアミ線のしなやかさがあるのでハンダ付けしやすい。しかも幅広のアミ銅線なので抵抗値も低く、大電流を流してもあまり問題がないなどのメリットがある。

さらに、本来の用途(ハンダ吸い取りそのもの)の後の線でも充分使えるため、無駄がなく経済的でもある。結構お勧めの材料であると思う。

どう配線するのかを考えながら、必要な形に電池を並べ、マスキングテープで仮固定する。プラス電極のテッペンがマイナス側とツライチになるように配置するのがグッド。

次に各電極に予備ハンダを行う。電池を扱う関係上、予備ハンダは手早く行わなければならないが、同時にシッカリとハンダで濡れないと大電流が流れた時にそこから過熱してしまうので、注意が必要。電池のメーカーによって電極のメッキの材質が違い、場合によってはヤスリでメッキを削らないとハンダが乗らない場合もある。

ハンダ吸取線にハンダメッキし、それを必要な長さに切ってから、手早く電極間にハンダする。必ず先に吸取線を切ってから作業する事。でないと隣の電池とショートして火を吹く事になる。

加熱を必要最小限にするため、ハンダメッキした線を所定の位置にピンセット等で支えておいて、線の上からコテを当てて電極側のハンダを溶かすようする。先にメッキしたハンダが溶け、次にそれが当たっている電極のハンダが溶けたらコテを外す。

反対側の配線をするときは、くれぐれも、接続順を間違えないように。一つずれたら電池二本のループ(=ショート)になってしまう。ハンダ付けでショートさせてしまったら危険な事このうえない。

電流取り出しのためのリード線を同様にハンダ付けする。今回はパックのセンターから配線を取り出すためにこのようにしているが、端の場合はもちろんどちらか一方へ向ける事になる。

熱収縮チューブを切る。長さは全体の長さに両側3mm程度はみ出すぐらいが適当。

今回は物干竿補修用を使ったが、これなら単四にはピッタリ。

チューブを被せる。

今回は配線をセンターから取り出すため、チューブの一部に3mmぐらいの切れ込みを入れ、そこから両側の配線を引っぱりだしておく。

ドライヤーで暖めてチューブを収縮させる。

先に両側を収縮させてから全体を収縮させると、電池の端の方がはみ出ずに済む。

裏と表を均等に収縮させるため、少しずつ何度も裏返しながら収縮させること。でないと片方に偏ってしまい、最悪の場合歪む。

最後に裏表まんべんなく暖め、シワがなくなったらオシマイ。

以上でバッテリーパックは完成である。あとはリード線を捩ったりしてコネクタを取り付ければOK。

五月蝿いようだけど、くれぐれも自己責任でね。


Go Home GoBack

Copyright 2004 All Rights Reserved by Kazutaka 'Zak' Sawa .