ZaksPowerAmp フルトラ版のページ(2024/10/27更新)

OPAmp版が割と上手くできてしまったので、今度はフルトランジスタで実装してみようかな…と。とはいえ、電源にはIC使ってるんやけどね(笑)。

これもまた頒布したいと思っているので、まずは説明書きのページを。

念の為やけど、単なる部品の詰め合わせなので、全ては自己責任でね。

●仕様

回路としては、かのクリスキットP-35IIIの回路を参考に、少し簡略化した形で設計した。電源電圧も全く異なるので、電流設計からやりなおし。それに、OPAmp版でも採用した中点生成回路を付加しただけやな。

出力は8Ωで3W程度。それでも家の中で鳴らすなら充分やね。なお、初期版からドライブ段のトランジスタを変更した。小さくて良い奴が見つかったので。

●部品表

いずれも秋月で確保できるハズ。まぁ、なくてもどこかの電子部品屋で手に入るよね。ただ、なんか最近パワートランジスタの欠品が多い。在庫限りになってなくても入荷未定とかな。

RefQnty仕様秋月番号
C1, C2, C5, C12, C15, C16, C19, C32, C35, C36, C39110.1uF(注意1)109790
C3, C422200uF(注意2)108384
C11, C3121uF(注意3)109792
C13, C332220uF(注意4)108291
C14, C17, C34, C374100uF(注意4)108290
C18, C38247pF(注意5)116003
D113mm(注意6)111633
D2, D321S4116384
D11, D12, D31, D3241SS178107783
HT1, HT2, HT3, HT4, HT5, HT66放熱板105052
放熱シート10
102687
J11L-Line In(白)116497
J31R-Line In(赤)116498
J2, J42SP Out(注意7)101313
J51DCジャック(注意8)106568
Q112SD880L108748
Q212SB834L-Y108747
Q11, Q12, Q31, Q3242SA970GR104252
Q13, Q3322SC2240GR110528
Q14, Q342ISC3244AS1114776
Q15, Q352ISA1284AS1114826
Q16, Q3622SC3851A107721
Q17, Q3722SA1488A107677
R20, R21, R40, R4140.1 Ohm 1W108798
R22, R42210 Ohm 1W108805
R4, R18, R19, R38, R395100 Ohm 1W108816
R17, R372270 Ohm 1W108823
R16, R3621k ohm 1W108829
R14, R3421.5k ohm 1W108830
R13, R3322.4k ohm 1W108833
R11, R3124.7k ohm 1W108838
R1, R2, R3, R12, R32510k Ohm 1W108839
R15, R35222k Ohm 1W117324
R5, R621 Ohm 5W110701
RV1150k Ohm(注意9)112574
RV11, RV31210k Ohm114905
RV12, RV322300 Ohm114899
U11NJM4558(注意10)111236
ネジ4M3-12
ネジ2M3-5
ラグ4M3105093
ワッシャ14M3
電源アダプタ119V 3A以上110665
  • 注意1:ここはフィルム系がオススメ。積層セラミックとかはヲイラは使わん。
  • 注意2:16V以上あれば問題ない。容量もこれ以上あれば大丈夫やと思う。最近オーディオ用コンデンサが激減してるみたいなので、高分子系の1200uF 16V(縦長タイプ)が2パラできるパターンも追加した。
  • 注意3:最近は減ったと思うけど、もしソースがOCLでないならココの容量はもっと大きくした方がいい。実際、ウチのは3.3uFとか4.7uFになってる。ただ、秋月やとこの辺りのいいコンデンサがあんまりないのよね。一応、4532サイズのSMDもハンダできるようにしてあるので、PMLCAPの4.7uFとか10uFがオススメ。もしくは千石あたりでWIMAの3.3uFとかでも良い。色々交換しやすいように、ココのランドは広めに枠を取ってある。
  • 注意4:16V以上あれば問題ない。最近オーディオ用のコンデンサが激減してるみたいなので、オススメは高分子系を指定してある。
  • 注意5:ヲイラの好みはマイカ系。セラミックとか積層セラミックは使わん
  • 注意6:色はお好みで。ヲイラは電球色が好き。
  • 注意7:基本的には基板に直接ハンダしても良いし、基板に載るなら5mmピッチのコネクタならなんでも良い。ウチのはネジ式の端子にしてある。
  • 注意8:秋月の電源アダプタならφ2.1mm。4A対応の奴。
  • 注意9:カーブはお好みで。ヲイラのはAカーブ。
  • 注意10:ま、低めの電源電圧でも使える普通のOPAmpならたぶん大抵のでOK。

ソケット類は明記してない。U1はお好みで。電源の安定度の違いとか気にしないなら、直接ハンダしてしまって構わないと思う。安いOPAmpやし。

ネジ類はホムセンで確保した方が早いしたぶん安い。

●組み立て方

と言っても大した話はない。部品表に従って基板に部品を実装していくだけ。基本は背の低い部品から順番やね。調整回路もないし。

お勧めの手順としては、先に電源周りを完成させてキチンと動作してるのを確認してからアンプ部の実装をした方が良いかな。放熱板の配置の関係で、Q9と放熱板の固定を先にやっておかないとネジ締めれなくなるし。

J8にGNDがあるので、ココとD2やD3の片方との間をテスタで計測し、±9.5Vが出てたら問題なし。

あとはアンプ部の実装やけど、入力ボリュームRV1以外の左右は完全に分離しているので、怖い人は片方ずつ仕上げていくと良いと思う。

アンプ部のトランジスタの実装はこんな感じ。

ラグ板を含めてこんな順番で積み重ねてネジ固定し、ラグ板を曲げてバイアス用のダイオード(D11, D12, D31, D32)を抱かせて熱結合する。写真では何もしていないが、できればダイオードの足には熱収縮チューブ等でカバーをつけるのが望ましい。

●調整

電源を入れて調整する前に、終段バイアス調整用のRV12, RV32を電流最小値(反時計方向一杯)、出力オフセット調整用のRV11, RV31を中間辺りにしておく。

ダミー負荷(ボロのスピーカでも、10Ω程度のセメント抵抗でも可)を接続し、入力ボリュームRV1をゼロにする。

電源を入れ、発熱に注意する。放熱板がすぐに触れないぐらい熱くなるなら、何かを間違えているのですぐに電源を切って点検する。異音がするとか臭いにも注意やな。以降も、何かあったら速攻でDCプラグを抜くこと。

まずはバイアスの調整やが、テスタでQ16、Q17のエミッタ間の電圧(R20、R21の足がリードを当てやすい)を測定し、RV12を調整して1mVになるようにする。

同様に、テスタでQ36、Q37のエミッタ間の電圧(R40、R41の足がリードを当てやすい)を測定し、RV32を調整して1mVになるようにする。

次に、ダミー負荷の両端電圧を測定し、それぞれRV11, RV31を調整して、左右とも出力オフセットが0Vになるようにする。

●動作

調整さえ済んでしまえば特に注意はないかな。色々接続後、ボリューム絞っておいてから電源を入れ、ボリュームを上げて音を聞くって感じ。

あえて電源スイッチはつけなかったので、ACアダプタのAC側でオフしてくださいな。ライン入力すると、フルボリュームならかなり大きな音がするハズ。スピーカが4Ωやとより大きな音がしますな。

温度的には、アンプ側の放熱器が30度前後で安定するハズ。電源側は35度ぐらい。ウチで放射温度計で確認した範囲やけど。

その状態で丸一日鳴らし続けても壊れなかったぐらいの実績はある。

●その他

改造するのは、当然自己責任下においてではあるもののお好きにどうぞって感じなので、CR類を変更するなりトランジスタを変更するなり、色々やってみると良いと思う。

ただ、当然やけどアンプ側のトランジスタを交換して色々試すならフルモールド型にしないと壊れますな。

ケースに入れるなら、RCAジャック、DCジャック、スピーカ端子を実装せず、配線を直接ハンダするようにすれば良いと思う。でも、ボリュームはあまりソコから引き出さない方が良い。たぶんノイズが乗るからね。

オープンでいくなら、この基板のサイズは秋月のBサイズ基板と同じなので、スペーサ使って上下に保護板としてBサイズ基板で天井と床を装備すれば良いと思う。ただ、熱がこもると案外熱くなるので、放熱には注意のコト。

とりあえず、こんな感じかな。

●更新履歴

2024/10/27 ドライブトランジスタを「ISC3244AS1」、「ISA1284AS1」に変更