これから初めて北海道を単車で回ろうと思っている方へ(ノウハウ/キャンプ編)

【注意書き】この記事に直接やってきた人は、先にトップを読んでくださいまし。

宿泊の中でも、多分色々なノウハウが必要になってくるキャンプに関して書いてみる。

●キャンプは必要?

キャンプ編にしてはイキナリのタイトルやけど、ちょっと大事なお話。

割と多くの人がキャンプと考えてるんとチャウかしら。けど、キャンプしたことがない人がいきなり道内ツーリングでキャンプってのは、正直言ってオススメしない。慣れないと寝れなくて疲れが溜まったりするから、翌日の事故の元になったりする。何より機材を揃える資金がハンパない。それでも最近は色々安くはなってるけどね。

そんなコトになるぐらいなら、最初から普通に宿に宿泊したほうがナンボか安全やからな。ビジネスホテルが嫌なら「とほ宿」ってのもあるし。とほ宿ってのは、一風変わった民宿だと思って貰えば良いかしら。詳しくはリンク先へどーぞ。

あと、地域によっては今でもライダーハウスなんてのが開設されてたりもするが、期間限定だったり臨時に閉鎖されてたりするんで、有名どころ以外はあんまりアテにしない方が良いとは思う。

確かに北海道のキャンプ場は安い。最近はグランピングとかいうクソ高い金持ち趣味なのも増えてるみたい(特に大都市周辺部)やけど、無料のトコとか一泊1000円までのトコとか色々ある。なので、慣れるとオサイフ的にも嬉しかったりする。雨の日はチと大変やけどな。

なので、最初は宿とキャンプを併用するってのもアリかもしれんね。ヲイラだって夜が雨予報なら、素直に宿とるし。

●キャンプする場合(全般)

キャンプする場合にも、選択肢は色々ある。例えば食事をどうするか。ヲイラは自炊派なので朝晩は(仮にそれがカップ麺1個でも)自分で何か作って食べるコトにしている。でも、人によっては朝晩とも外食(朝はキャンプ場を出て近くのセイコーマートで食べ、夜はキャンプ場に入る前にどこかの食堂で食べる)って場合もある。

また、道内のキャンプ場にはバンガロー等が併設されてる場合もあり、そういうのを頼りに行くという方法もある。とはいえ、すべてのキャンプ場にあるワケでもないので、事前調査が必要になるかもしれないが。ライダーハウスも同様やね。開設されたり撤去されたりしてるからな。

なお強引な例として、コットだけ持って行って吹きっさらしの場所で寝袋に包まって寝る人がいるらしいが、少なくとも北海道ではオススメしない…朝晩の寒暖差が超激しい場合があるし、野生生物との距離も近いからねぃ。

●キャンプする場合(テント編)

テントの種類も今はかなり色々あるけど、これもどれを選ぶのかは旅のスタイルによる。本当に寝るだけならシェルター式の芋虫みたいなので充分やし、自炊したいなら前室が大きめの方が雨の日でもどうにかなるので嬉しい。

基本的にテントに書いてある人数は、ギリギリ詰めて何人寝れるか?なので、荷物とか入れる場合は余分目に考えておかないと何も入らなくなる。前室がデカいのは、そこが置き場にもなるので結構便利やね。

雨の日に撤収するのはかなり厄介なので、そういうの気にするならフライシートとポールだけで自立できるタイプのテントにする…という方法もある。先に中で着替えとか支度とか済ませ、インナーテントを先に解体収納し、最後に外からフライシートとポールを解体収納できるので、無駄に色々濡らさなくて済む。

最近のテントは大抵床と壁が一体化してる。つまり、床が傷ついたり破れたりするとテント全体がダメになる。なので、できればテントの下にグランドシートを1枚敷きたい。高いの買わなくても、普通のドカシーで充分やけど。前室がある場合、前室ごと全部のグランドシートにしておくと、少しだけインナーテントに虫が入りにくくなる。地面を這ってくる奴が減るからね。

時々見るんやけど、大きなドカシーの上にチョコンとテントを張ってる人がいる。テントの周囲のドカシーがハミ出た部分を荷物置き場にできて便利と思ってるっぽい。でもこれ、二つ問題があって

  1. テント固定用のペグを打ち込めないので、風に弱くなる。
  2. 雨が降ると、雨水がすべてテントの下に入り込んでしまい、水浸しになる。防水?水浸しになっちゃったらもう効かないよ。

なので、ドカシーをカットして「フライシートの内側に多少余裕をもって入る形状」にしておきたい。上から見てグランドシートが見えないようにするってコト。そうすれば、降った雨はグランドシートに当たらず地面に直接染み込むからね。

また、荷物を考える意味でも前室のデカいテントが欲しいトコロ。ヲイラの場合、以前はダンロップのD110、今はオガワのST-IIってのを使ってる。いずれも前室がかなりデカい。

前室の小さなテントの場合、タープを張って前室の代わりの空間を作るという手もある。少々荷物は増えるけど、開放感のある屋根の下ってのもまた悪くない。ただ、最近は一部のキャンプ場でタープを別料金にしているケースを見かける。安さを気にするなら、これは考えものだよね。

テントによっては、前室とか前側のフライをタープ的に持ち上げられるものがある。だけど、これを単車に繋ぐのはあまりオススメしない。なぜなら、強風が吹いた時に単車を倒してしまう可能性があるから。広告等でそんな写真が出るコトもあるけど、例えば夜中にいきなり突風が吹くなんてコトもあるワケで、安心して寝れなくなるよ。

そうでなくても単車をテントのすぐ脇に止めるのはオススメしない。場合によっては寝てる最中に倒れ、テント内で頭部に直撃なんて可能性もあるワケで、仮に単車が倒れても問題のない位置にテントを設営する…もしくは単車を止めるコトをオススメする。絵面的にはバエるのかもしれないけど、最悪の場合死にますからね。

●キャンプする場合(寝具編)

キャンプする場合、先にも書いた通り最低でも睡眠の快適さだけは確保したい。その関係でマットはちょっと良い奴をオススメする。少なくともいわゆる銀マットだけってのは厳しいだろう。

ヲイラはインフレータブルマットの3cmぐらいの厚みのを愛用している。この手のマットの草分け的存在であろうサーマレストの初期型やね。テント自体の底を保護するために、極薄(数ミリ)の銀マットを内側の全面に敷いて、その上にインフレータブルマットって構成。

そういや、人によってはテントと一緒にコットを積んでる場合もあるね。よく積めるなと思うけど、頑張って積んでるみたい。ただ、コットの足はテントの底とは相性が良くないだろうから、テント内も地面が露出してるタイプのを使ってるようやな。

寝袋は、とりあえず3シーズン用があれば大抵の夏のキャンプには問題ない。山中なんかで寒い場合は、靴下を履いたまま寝るなんて方法もあるし。ただ、ダウンか化繊かってのは結構大きな問題で、収納時のサイズが3〜4倍違う。ダウンは少々高価やけど、収納サイズが非常に小さい。しかし、水気に弱い…というか、濡れると乾きにくいんだよね。雨に晒されやすい単車の場合、ココがネックになる。

なので、パッキングの防水が完璧だと思えるならダウン、疑問があるなら化繊がエエんとチャウやろか。ヲイラの場合、システムパニアを導入した時点からダウンに切り替えたよ。

寝巻きをどうするか?というのも要検討項目ではある。この辺はスタイルの一つではあるのだけど、例えば朝のお通じとか考えた時にキャンプ場のトイレでライダーパンツとかGパンを下げるのは結構厄介な場合もあるからね。フェリー内と兼用で、ジャージ系の寝巻きを持っておくのがオススメやな。寝汗でGパンの洗濯回数が増えそうな人も同様かな。

●キャンプする場合(自炊編)

自炊する場合、古い慣れてる旅人は単車のガソリンを抜いてガソリンストーブ(ストーブ=コンロのこと)を使う人もいるけど、たぶん今は大抵はガスボンベ式かな。カセットコンロ用の缶か、アウトドア用の缶かで機材は分かれる。ヲイラはアウトドア用のを愛用している。

ガスストーブも色々な種類があって、異様に軽かったりコンパクトだったりするワケやけど、それは他の荷物との相談やね。余裕があるなら大きめのシッカリした奴の方がトラブルが少ないと思う。小さなストーブの上に大きなコッフェルとか置いたらコケやすいだろうからね。

調理時の安定性で言えば、ガス缶の上にコンロがつく形状はチと不安定になりやすい。定番の構図ではあるけれど、足元が微妙だからね。なので、火口とガス缶が分離されててホースで繋がってるタイプを愛用してる。

ガス缶の入手性で言えばカセットコンロ缶は最強(それこそ、現地の大抵のホームセンターとか100均にある)なんやけど、あれ使う時の缶の向きが重要なのな。その関係か最初は分離型はなかったんやけど、最近店に偵察に行ったら、今はあるのな。ただ、やはり使う時は缶の向きを非常に気にする関係で、必ず同じ向きになる仕組みになってた。

それもあって、いまだに30年ぐらい前に買ったアウトドア用のやつ(プリムスの2243)をずっと使ってる。このままやと不安定に感じるので、これにプリムスのスパイダーキットを取り付けて分離型として使ってる。スパイダーキットが既に廃盤になってるのが残念やけど。そうそう、これも廃盤の延長ゴトクキットも取り付けてあるで。

アウトドア用の缶やと、250ってのと500ってのがある。最近は110ってのもあるのかな。どれを使うのかも作戦の一つやけど、単車の場合は250がヲイラのオススメ。110やと嵩張るばかりで邪魔やし、500はだいぶ無くなってきてもデカい缶をずっと積載しなくちゃならない。だったら250を2個買って積んでおけば、途中で片方は使い切りで捨てるコトができる。キャンプ場にもよるけど、空きボンベ回収してくれるトコもあるから、その分荷物がラクになる。帰りの土産を入れるスペースも作れるし。

ガスの消費量は、それこそお湯だけ沸かすのかステーキでも焼くのかとかで全然違うから、気になるなら事前に自宅の台所とかで使ってみると良い。ヲイラは北海道一週間の旅で3本の250缶を持って行くけど、大抵は1本使い切って残りの半分ぐらいで終わる。

ガスの消費量をできるだけ下げるアイテムとして風除けってのがある。アルミ板の屏風みたいなやつで、これで囲っておくだけで熱の逃げが減り、ガスの消費が減る。ただ、安定させるために地面に打ち込む必要がある場合が多いので、自炊場所を選ぶけど。

食器類もスタイル次第かな。人によっては簡単なコッフェルとかメスティンだけだったり、ヲイラみたいに鉄のフライパンを積んでいたりする。鍋の類はキャンプ用のコッフェル等がオススメやけど、フライパンなんかはホームセンターで小さめのを買うのもアリ。折りたたみできないけど、荷物を工夫して積んでやればクソ高いアウトドア用のを買わずに済む。

材質もそれぞれなんやけど、ヲイラの印象としてはコッフェル等はチタン、フライパンは鉄かな。アルミは傷つきやすいのと、全体が熱くなるので持ちにくくなる場合がある。コーティングがあってもそのうち剥がれるし。ステンレスは焦げる印象しかない。チタンは焦がしても後でパキンと剥がれるし、中身が熱々でも持ち手までは熱が伝わらないコトが多いので、色々楽。チタンのシエラカップなんて、直接火にかけて中身を温めても、火を切って10秒も待てば飲み口は常温+α程度になってるし。

フライパンだけは全体に熱を持って欲しいので鉄のもの。コーティングなんかないのでガリガリやれるし。食べ終わったらササラ等でゴシゴシやって、ティッシュで拭き取るか水で流せば良い。最後に火で炙って乾かして、サラダ油等を軽く塗っておけば錆びないし。