[Essay] 国内移動でJRを使う時のコツ

今年も数多くの大会が行われ、選手として移動する人も見学者として移動する人も多数いると思います。遠隔地へ移動する手段はいくつかありますが、昨今は夜行バスがかなり発達しているので、それを利用する場合も多いでしょう。一方、荷物の加減とか移動時間の加減で鉄道を使うコトも多々あると思います。飛行機は機材関係を(預け入れであっても)持ち込みできないケースが多々ありますからね。

で、そんな時はJRを使うコトになるワケですが、遠距離移動に慣れてない方が、時々ものすごい無駄な切符の買い方をしてしまうケースがあるようです…というか、過去に何人か見かけました(^_^;)。ここでは、JRの切符を買う上でのちょっとしたコツを並べておきたいと思います。

まず大原則なのですが、JRの切符にはいくつかの種類があります。

  • 乗車券(ある経路を乗車する場合に必ず必要な切符)
  • 特急券/急行券(優等列車に乗るのに必要な切符)
  • グリーン券(グリーン車に乗車するのに必要な切符)
  • 座席指定券(ある座席を事前に予約指定する切符)
  • 寝台券(寝台車両を使う切符)

これらの他にも色々ありますが、大事なコトはこれらは本来は別々の切符だというコトです。最近は一枚でいくつかの役割を持つ切符(例えば特急座席指定とか)もありますが、原則は別々です。

乗車券以外の切符に関しては、基本的には利用しようと予約した時点で値段が確定します。時々例外的なケースもありますが、原則的には値段は変わりません。特急券とかグリーン券も距離に依存しますが、基本的に一回ナンボって感じなので、下車した時点でオシマイです。しかし、乗車券に関しては同じコースを通過するのであっても値段が変わる場合が結構あるんですわ。

まず、乗車券の原則ですが、

  • 長距離になればなるほど割安になる
  • 途中下車は原則OKである
  • 有効期間は距離に応じて定められる

という仕組みがあります。あれ?っと思われる方もいらっしゃるかと思います。いわゆる大都市圏で切符を買うと、その多くは途中下車前途無効ってなってます。あれは「移動距離で100km未満は途中下車できない」というサブ規定があるからです。普段はそういう環境ばかりなので多くの方が誤解されてるのですが、実は原則は途中下車OKなんです。

ちなみに、大都市圏の場合は途中下車前途無効の代わりに、運賃の計算経路は最短距離になるという規定もあります。大きく回り込んでも、途中で同じ駅を二回通らない限りは最短経路での金額になるんですね。

さて、ある目的地へ行くのに途中に立ち寄りたい場所があった場合、多くの人はつい「出発地→立寄地」「立寄地→目的地」の二枚の乗車券を買ってしまいます。大都市圏なんかだとこれが当然なんですが、遠方…つまり100km以上離れた目的地へ行く場合は話が違ってきます。

先にも上げた通り、乗車券は原則途中下車OKなのですから、この場合は「出発地→目的地」の切符を購入し、立寄地で途中下車するのが正解なんですわ。こうすると、初乗り運賃(最初の一駅の運賃)の差額以上に安くなるコトが多く、距離によっては数千円レベルで違ってきます。なぜなら、一枚の切符で行ける距離が長ければ長いほど、割安になるような運賃設定になっているからです。

一例を上げましょうか。2018年3月時点での計算ですが、例えば東京から大阪へ行くのに、静岡へ立ち寄るとします。とりあえず在来線で計算してありますが、

  • 東京→静岡 3350円
  • 静岡→大阪 6260円
  • 東京→大阪 8750円

上二つの合計は9610円となり、860円もの差額が出てしまいます。これで飯食えますよ(^_^;)。新幹線の場合は、経路が少し変わるので若干値段が変化しますが基本的には同じような感じで、あとこれに新幹線特急券(場合によってはさらに座席指定券)が追加されるって感じです。無論これは片道なので、往復同じような立ち寄りをしたら、さらに倍って感じですね。

次にこれの応用編ですが、乗車券の原則は「同じ駅を二回通らない」ことです。通ってしまうとループを許してしまうからですね。でもこれ、逆に言えば異なる経路が使える場合、それは一本の乗車券として確保が可能というコトになります。

例えば、今は北陸新幹線が金沢まで開通しています。また、金沢からは特急サンダーバードで京都へ出ることができます。東京京都往復を、行きは東海道経由、帰りは北陸経由にすると、東京→静岡→京都→金沢→東京という乗車券が成立するコトになります。

この場合の乗車券の差額を以前計算したコトがありますが、乗車券上は経路がかなり長くなっている割には割安で、全体の金額としては京都ー金沢間の特急料金だけが追加だったという感じでした。新幹線特急券の北陸側が、経路が長いので東海道よりも高いんですよね。でも、それは乗車券の割安分で吸収されてました。ましかし、いずれ新幹線が京都まで開通すれば、さらに安くなる可能性もあります。

で、しかもこれ、途中下車OKで有効期間が数日ありますから、金沢で途中下車して泊まって観光してってのもアリなんです。

次のネタですが、経路の途中に大都市圏が挟まれる場合、切符の購入時点でどの経路を通過するか決めることができます…というか、決めないといけません。その代わり、その経路上では大都市圏であっても途中下車可能です。例えば大阪を通過するような切符だと、大阪市内であっても途中下車が可能になります。

多くの場合、大都市圏を発着する乗車券に関しては「〜市内」扱いになっているコトが多いです。これは、その市内範囲内のどこから乗車/下車しても基準駅からの値段になる代わりに、その範囲内では途中下車前途無効にするという仕組みで、運賃計算の簡略化のために行われています。(目的地から見て基準駅から更に遠い人は有利なんですが、逆は不利という仕組みです。)そのため、大都市圏は全部途中下車できないと思いがちなんですが、実は通過する場合はそうではないんですな。

他にも色々とネタはある(往復割引を上手に使うとか)んですが、書き始めるとキリがないんで、とりあえずこれぐらいで(笑)。

あ、そうそう、新幹線に関して「回数券」ってのが金券屋で出回ってると思いますが、アレは実は必ずしも安くならない場合があるってコトにお気づきでしょうか。つまり、回数券の区間の前後にさらにJRに乗車する区間がある場合、全部まとめて一つの乗車券+正規の特急券にした方が、回数券+前後の乗車券代よりも安くなるケースが結構あるんですよね。前後の距離が伸びれば伸びるほどそういう傾向にありますんで、お出かけの際は今一度ご確認を(^_^;)。

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
カテゴリー: 日常, 書き物, 鉄道 パーマリンク