理屈民族が陥りやすい罠

昨今の色々なヤヴァい状況を見ていると、また陥穽に陥ってそうな雰囲気を感じるので、少し書いてみる。いわゆる「理屈民族」な皆様向けのお話。

原発事故の時にも書いたけど、理屈民族が勘違いしがちなコトの一つは、人間社会までが理屈で動いていると思いがちだというコト。だから、理屈を並べれば人は納得すると思い込んでいたりする。

でもそれ、実は大きな勘違いなんだわ。そもそも理屈って自然現象の捉え方の一つに過ぎず、別の角度でみれば別の理屈が成立したりする。そんな頼りないシロモノで、複雑な感情を持つ人間を理解できると思っている方がオカシイわけ。

言葉ですらも、人の感情を劣化圧縮したシロモノに過ぎないのと同じでね。劣化圧縮すればエッセンスが残りやすいから概念的に理解しやすくなるけど、それは現物そのものではないワケで…。だから「行間を読む」なんて面倒な作業が入り込むワケやし。

つまり、実際には人間社会って理屈ではなく感情で動いているんだよね、残念ながら。なので、何かを説得したい場合、理屈で感情に寄り添うという高度な作業が必要になるの。理屈だけ並べ立てても、嫌悪感を抱かれるだけなんだわ。原発事故の時に、その辺なんにも理解してないボンクラな学者がデカい顔してたけど、実際あれには呆れるしかなかった。

似たような話は、UIとかUXの構築をやってればゴマンと出てくる…というか、ヲイラ自身そこでかなり考えを改めたりもした。例えば、今流行りの「あつ森」のUIに興味深い動きがある。選択肢が出てくる部分での画面に表示されるものと、実際のボタン操作が非常に興味深い。

まず基本操作として、選択肢が出れば上下の操作で選択を行い、最後にAボタンでそれを選ぶようになっている。ここまではまぁ、順当な理屈通りの動きだろう。興味深いのはキャンセルする時の動きだ。理屈通りの動きとして、選択肢の中に含まれるキャンセルの項目を選び、Aボタンで選択してキャンセルするという順当な動作が実装されている。これに対するBボタンの動作が興味深いのよ。

通常、Bボタンはキャンセルを指示する役割なワケだが、選択肢表示中にBボタンを押してもいきなり選択肢がキャンセルされるなんてコトはしていない。まず選択がキャンセルの項目に移動する。で、なんとそこでBボタンを押してもキャンセルされるのだ。でもこれ、理屈から考えると変だよね。キャンセルの項目をキャンセルする操作なワケだから。理屈で考えれば、そこはAボタンでキャンセルの項目を選ぶのが正しい。

しかし、実際に操作しているとこの「Bボタンを2回押せばキャンセルできる」というUIの方が操作性が高く、シックリくる。恐らくは、あえてこういう実装にしていると思う。理屈ではなく操作性を優先しているんだね。

こういう「人と交わる部分」の実装を色々やっていると、まさに「人は感情で動く」というコトを実感する…というか、実感できない人が組んだUIなんて、使いにくくて仕方がないんだわ。きちんとユーザのフィードバックを貰ってUIを組めば組むほど、いかに人ってのが理屈ではない部分で生きているのかを実感させられるのよね。

そして、たぶんだからこそ、理屈だけならべて叫ぶ人が増えれば増えるほど、残念ながら感情で動く人たちはそれに嫌悪感を抱く。理屈だけで作ったUIが使いにくいのと同じでね。そうなれば、元も子もないよね。選挙にしろなんにしろ、そういう感情で動く人の一票で決まっていくのだから。アメリカであんなのが大統領になれるのも、日本であんなのが政権を取っているのも、たぶん同じコトだと思う。

無論、ヲイラも理屈民族の片隅にいる自覚はあるし、できれば世の中もう少し理屈で動いて欲しいとは思っている。だけど、現状を無視して推し進めようとしても、押し戻されるだけなんだよね。今のこれらの統治者って、汚いぐらいにそれを理解していると思っていい。

これに対抗する数少ない手段の一つは、多くの人になんらかの方法で理屈を考える習慣をつけてもらうコトなんだが、暗記重視の義務教育ではそれは厳しいわな。また、理屈を考えるコトを義務化したり、ましてやその進捗にペナルティを課すような教育は、「理屈なんか考えたくない」という人を量産してるだけだし。

また、現在発生している各種の問題についても、そのアピール方法は充分に練られる必要がある。少なくとも、自分が正しいと思っている理屈を並べるだけで済むワケではないのよ。むしろ、ココをチャンと考えておかないと敵を増やすだけで、かえって逆効果にすらなる。

どうやればイイのかなんてヲイラにもなかなか解らないけど、少なくとも現状この辺に関して細心の注意が必要だというコトはわかる。

理屈民族の皆様、今一度よーく考えてみてくださいまし。

以上

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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