[Essay] ロボット大会の教育的な観点と、そこから考える大会の構成

チと堅いタイトルやけど、最近思ってるコトを並べてみようかな…と。

ロボット大会も今や色々大量にあって、それそれ様々な特色を持っている。それらに対して直接的に是非を書く気はないのやが、学業と並行して学びを得るコトを目的とする場合、こういう要素が必要なんとチャウやろか…と思うトコロはあるワケね。それらを列挙して、理由を並べてみようかなと思った次第。

●チームの人数は二人以上で少ないほど良い。

できれば二人、多くても四人ぐらいまでかなぁ…と。その理由は、責任が明確になるから。どうしても多人数のチームやと、その能力差から作業が偏ってみたりして、最悪の場合(一人見かけたら三十人はいると言われる)幽霊部員が発生しがちなんだよね。それを運営するための管理能力まで必要とするのは、まだ学びの段階ではあまり意味がないというか、「そんなコトは社会に出ればナンボでもある」ので、それよりも学ばねばならないコトが沢山あるハズなんよな。

当然、人数が少なければ各自に掛かる圧力もデカいし、一人がチョンボすれば全体に影響を与えてしまい、それだけで出場できなくなるかもしれない。限られた年数で行われるモンならなおさらやな。

でもね、ヲイラはソレ自体も学びやと思ってる。自分のミスで(少ないかもしれないが)誰かに迷惑を掛けたという経験は、実は案外重要なのよ…少なくとも、デカい仕事でヤラカすよりは被害の範囲が少ないトコロで得られる経験なワケで、それで今後責任を持って作業しようという気持ちが生まれるなら、それはそれで学びなワケ。

そして、一人やとこの辺簡単に誤魔化せてしまうので、一人チームってのはあんまり意味がないんやろなと思ってる。

これを逆に言うと、大会の課題が二人から四人程度で賄えるような規模になっている必要がある…というコトでもある。

●その時代に使えるモンをできるだけフルに使える課題

例えば今の時代に今更Z80を持ってきてコレでなんかやれ…なんてのは、一部ジャンルでの学びにはなるものの、ロボット大会的には時代遅れでしかない。また、フリーの基板CADが普通に手に入る時代なのに、ユニバーサル基板(蛇目基板とも言う)でなければアカンようなモンってのもオカシイ。3Dプリンタが普通になってるのに、木を削ったりして作るしかないなんてのはナンセンスやな。

無論、何らかの理由があってそれらを選ぶのは悪くない。そこに新しい観点が出てくる可能性もあるからね。だけど、少なくとも「大会のルールでそういった縛りをしてはイケナイ」…と思うのよ。

たぶんコレを書いてる時点で一番厄介なのはリチウム系の二次電池の扱いやろけど、危険性ばかりをアゲツラうなら、そもそも手製のロボットなんて超危険なワケで、ハナから大会なんぞ成立しない。従って、どこで妥協するのか?という話になるハズなんやが、ここ数年来の状況を見ていると、一部にあまりに過剰反応をしてるトコがあるみたいやな。

いくつかの大会でもバッテリに関するトラブルは色々出ているし、発煙や発火も何度も見てきてるけど、そこまで過剰反応する必要がどこにあるのか?と、ヲイラなんかは思っている。大抵は怪しい入手ルートから手に入った安物が異常を来すワケで、それはつまり、どういうルートから買うべきかの指針を出すなら話はワカるんやけどね。

また、使える素材も色々あるし、その加工方法も色々あるワケで、そういったモンに変な制限を加えるのは、探究心という一番大事なモンを潰す行為に他ならないですわな。教育を標榜するなら、ココを潰してなんの意味があるのか?と、ヲイラは思うよ。

●それなりに、大きな規模で行われる大会…できれば世界レベルで

今のご時世、技術屋をやってて日本以外の国の連中と付き合うコトなんてナンボでもある。ヲイラみたいな場末の技術屋でもそうなんやから、トップレベルなんて当然やろう。だから、できれば日本以外の国からの参加者がある大会が望ましい。せめて、日本国内全域が対象で、国内に住まう外国人のご子息も参加できればだいぶマシやと思う。

これは、自分達と全く異なる文化圏の人間がどういう考えてモノを組んでくるのか?という所から始まり、日本人によくある外国人アレルギー(外国人の前に出ると急に萎んだようになるアレ)を治すという意味でも大事なんやないかなと思う。

まぁ、その多くは英語でのやりとりになるんやろうが、必ずしも英語圏の人間とは限らないワケで、お互い自分の母国語も交え交流するのは大きな意味があると思う。できる限り、早い段階でそういうのあった方がエエやろね。ヲイラ自身、神戸に産まれたおかげで「普段街を歩いてたら普通に外国人か同等の風貌を持つ人間をナンボでも見かける」という経験を幼少期から積んでいたのが、だいぶ役に立ってると思うからね。

ただし、だからと言って「その場で混成チームを作って云々」というのはどうかなと思う。エキシビジョンでちょっとした余興ならまだしも、機体製作も含めてってなると、それは時期尚早やろなと思うのよ。だって同じ日本人で組んでもチャンとできるか分からん段階で外国人と組んで何かやるってのは、まさに二兎でしかないからだ。英語「で」授業を行うようなモンやね。ここは履き違えないようにしたい。

●勝敗はハッキリつくものを

時間でも点数でも構わないのやが、客観的にハッキリと結果が出る競技が望ましい。あんまり望ましくないなと思うのは、いわゆる芸術点か絡むような奴。異なる文化が混ざり合う場所においては、よほどの事がないかぎり問題のタネにしかならんと思うのよ、それ。

だから、審判のジャッジが絡んでややこしくなる可能性がある奴も、できるだけ問題排除する方向に動かなアカンやろなと思う。

勝つのも負けるのも経験やからね。ソコはできるだけハッキリさせなアカンやろな。

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現時点で思うコトを並べてみた。また気がついたら追加するなり修正するなりしようかね。

以上

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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