ハンダ付け私感

過去にも何度か書いてるんだけど、ちょうど機会があったので連投したツイを、補記しながらまとめておこう。ハンダ付けは怖く無い(笑)。

ハンダ付けで重要なのはもちろん温度なんだけど、それよりなにより重要なのは「ハンダゴテの役割」を勘違いしないコトだというのがヲイラの説明の仕方やな。多くの人は「ハンダを溶かすもの」と思ってるんだけど、それが間違いでミスの元なんよね。正しくは「ハンダされる相手の温度を上げる道具」なんだわ。

先にコテ先に少量の捨てハンダをつけるのは、そうやって相手にコテ先を密着させて熱伝搬を早くするためなんよね。ほれ、乾いた雑巾で熱い鍋持っても大丈夫やけど、濡れ雑巾だと一瞬で火傷するやろ。それと同じ。でも、この段階での目的は、あくまで相手の加熱なんよ。だから、捨てハンダはハンダをコテ先に直接つけるし、相手にコテ先を当てる前につけてる。コレを見て勘違いする人が結構多いのよな。

で、充分に相手が加熱されたら本ハンダなんだけど、問題はココでハンダをどこへ当てるか。位置関係的には、コテ先はもちろん加熱中の位置のままで、ハンダを相手に当てて溶かすのがヲイラの流儀。コテ先ぢゃないんよ。相手に当てると、相手が正しい温度になってれば勝手にハンダが溶け、フラックスが作動し、合金層が一瞬で形成される。

デカい相手の場合は、この段階で更にハンダを送り込む。5mmとか8mmのバナナ端子なんかは、本当にジャンジャン送り込む(笑)。デカい相手の場合はコテのワット数がモノを言うので、ショボいのでは中々温度が上がらず厳しいよ。なお、可能であればこの手法で先に個々の部材にハンダメッキをしてから実際に接合するコトもあるね。この辺はケースバイケースやな。

手早くハンダしたい場合(=あまり周囲に熱を散らしたく無い場合)にもデカいワット数のコテで一気に加熱してサクサク進めるのがオススメ。なので、コテの設定としては420度ぐらいでやったりする。コテ自体の温度が相手に伝わるには時間が掛かるので、その途中のいい塩梅の瞬間にハンダするのよね。そうするとコテ先も冷えにくいし。

出来上がったハンダの形状をよく言われるんだけど、これも相手次第なので注意が必要。片面基板(いわゆる富士山型)、両面スルーホール基板(穴が埋まってればOK)、ケーブル等(テンションによって少なかったり多かったり)で最適な形状は異なるので注意が必要かな。鉛アリーなら表面がテカってないのは全てアウト。鉛フリーは…種類によってバラバラやけど、テカらない奴の方が多いかな。

あと、当然だけど鉛アリーと鉛フリーではハンダの最適温度が違う。一般に鉛フリーの方が高いので、その場合に手早くやるとかだとコテの温度を500度近くにまで上げたりする。コレをチャンとしないと、ゴワゴワのハンダ付けになっちゃうよね。まぁ、鉛フリーは普通でも結構ゴワゴワではあるんだけど(笑)。

なので、普段の試作ではあえて鉛アリーを使ってる。設定温度が低めでサクサクハンダできるので、作業効率が全然ちがうし。ま、昔から馴染んだヤニ(フラックス)の匂いが良いってのもあるけどな(中毒)。

以上

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
カテゴリー: RCJ OYAJI, なんか作る, 書き物, 電子回路 パーマリンク