[CB125T] オイルクーラー計画(2023/10/16追記)

キャブのセッティングが出始めてくるにつれ、油温がマズい感じがしてきた。今は真冬だが、この時期で90度オーバーってコトになると、夏場は超ヤヴァいコトになるのが容易に想像できるので、オイルクーラーの導入を検討するコトにする。

オイルクーラーはエンジンオイルを冷やすワケだが、当然どうにかしてオイルクーラーコアにオイルを送り込む必要がある。最初からオイルクーラーが設定されているエンジンであれば問題はないが、そうでない場合どこからオイルを取り出すかが問題になる。

通常、エンジンにはオイルポンプがあってコレでエンジン内部にオイルを循環させ、潤滑と冷却を行なっている。従って、オイルポンプの出口からパイプを伸ばし、オイルクーラーコアで放熱した後に元のオイルラインに戻してやるのが基本的な考え方になる。

CB125Tに関してこの辺りを調べてみると、クラッチカバー側にオイルポンプがあり、そこから2系統のオイルラインがクラッチカバー内部と右クランクケース内部に仕込まれているようだ。この二つのラインは並行しており、ガスケットで隔てられているだけらしい。

このうち、最も高温になるシリンダーヘッドへ行くラインはクランクケース側、クランクへ行くラインはクラッチカバー側のようだ。しかも、二つあるラインは途中で一度合流していて、万が一どちらかが詰まっても補填されるようになってるっぽい。しかし、これはチと厄介でもある。

なぜなら、物理的にオイルを取り出せそうなのはその合流点の手前になるため、オイルクーラーへの圧送が行われようとすると負荷となってしまい、反対側の通路の流量が上がるだけになってしまう可能性が高いからだ。

これはどうしたもんかなぁ…

(2020/01/30追記)

悩んでても仕方がないので、先人のお知恵を拝借するコトにした。その結果、案の定両方を塞ぐ必要がありそうだ。クランクケース側の加工はケース割までしなくても加工可能らしいので、それらも含めて準備を色々行うコトにする。

まず、よさげなオイルクーラーコアを確保。CBR1000Fのものらしい。ヤフオクで1000円程度。このオイルクーラーは「本線上」に設置されるので、エンジンを切ってもオイルはたまったままになる「ホース口が上側」なものを選んだ。でないとエンジンを起動してからオイルが回るまでにかなりの時間が掛かり、その間にエンジンが傷んでしまう可能性があるからだ。

(ちなみに、CB-Fなんかは下側についているが、これはオイルクーラーが専用のオイルラインになっていて、冷えたオイルは一旦オイルパンに戻され、そこからエンジンに回る仕様になっているから可能なのだと推測している)

また、これは勘が当たったのだが、取り付け部の穴寸法がφ6mm/穴間隔が40mmと、そのままUボルトでフレームに取り付け可能な寸法なのがうれしい。Uボルトを探したところ、41mmのM6のものがあったのでこれも確保した。ココはどうせラバー保持なので、片側0.5mm程度のズレなら何もしなくても適当に保持されるのだ。

ただ、一緒についてた配管は8割がたハードパイプだったので使えない。そのため、市販のホースを使うコトにする。

で、市販のホースを使うなら、やはり多少は真面目にフィッティングなんぞを使いたい。そのため、まずこのエレメントに取り付くフィッティングアダプタを探した。ホースは一般的なAN6の仕様で取り回すとしてアダプタを探したところ、割と近い寸法のものが見つかったので確保した。

ヤフオクで「フューエル レギュレーターアダプター」として販売されていたもので、取り付け穴ピッチが32mmのものになる。また、パッキンが差し込まれる部分にとりついていて、差込部の外径はφ11mmである。

CBR1000Fのオイルクーラーは取り付け穴ピッチが30mmで穴径はφ10mmなのだが、そもそも穴はすぐに90度曲がっているので、差込部は邪魔にしかならない。従ってコレをカットし、純正のOリングを使って封止するコトにする。当然、取り付け穴も左右1mmずつ内側へ削り込む。

すると、こんな部品ができあがる。

差込側を少しだけ残してあるのは、Oリングがズレないため。コレをボルトナットで固定すれば、純正オイルクーラーコアがAN6対応になる。

さて、ホース側、そしてエンジン側の部品も集めねば…

(2020/01/30再追記)

とりあえず、オイルクーラーコアを車体に固定する方法を考えるべく、まずはUボルトでの固定をやってみた。

う〜ん、これはダメだなぁ。上下方向が低すぎる。フロントホイールやフェンダーのせいで風があまり当たらないぞ…。

というワケで、別の固定方法を考えるべくその周囲の写真を撮影して考えてみる。

ふむ…このレギュレータを固定しているボルトは、フレームの穴を通して反対側のコイルステーに溶接してあるナットと締結されてる…っと。このナットを吹っ飛ばして、両側にステーを生やせばイケるかしら…(^_^;)。

(2020/02/13追記)

ナットを吹っ飛ばそうとも思ったが、結構固そうなのでドリルでバカ穴にし、オイルクーラー取り付けステーの基台を固定してみた。長いボルトとアルミスペーサを使ってまずは仮組み。

で、この状態から採寸を行い、ボルトを+10mm、左スペーサを+3mmしたら、コの字ステーでオイルクーラーが固定できそうだと判明。すでに作図は済ませたので、今度時間があるときにバッテリーケースの余剰アルミバーから切り出して製作しよう。

(2020/02/22追記)

色々材料が揃ったので、早速オイルクーラー本体の固定を行ってみる。まずはステーを切り出し、車体に固定してみる。

で、ここにオイルクーラー本体を固定するとこんな感じになる。

で、ココで重要なのはこの位置関係かな…と。

フロントフェンダーに申し訳程度に付いているこの「ウイング」、本来はこうやってオイルクーラーへ風を当てるためのモンと聞いている。CB-Fも初期の頃は単に丸いフェンダーだったんやけど、後期には同じような造形になってるのな。

さて、後は実際に取り出し口を装備してオイルを通す工事を検討せねば…。

(2020/04/25追記)

部材が揃ってきたので、意を決してエンジンの改造に手を出すコトにする。

まずは右クランクケースカバーを外してくる。

で、無心にガスケットの残骸を取り除く。こんなウイルス騒ぎがやかましい時期には、こういう作業が癒しになるな…。

左の写真は安物のスクレーパで綺麗になるまでやってみたトコロやが、KTCのスクレーパを使うと右のように段違いな仕上がりになる。やはり良い道具は違うねぇ。

で、さっそくオイルホースの接続点を作る作業にはいる。まず、ニップルが取り付く場所をけがく。位置関係としてはかなりテキトーやが、前後に少し離れてるぐらいがいいかな。で、けがいたら穴をあける。ただ、こんなに大きな穴を一気に開けると何かと不都合が出てくるので、φ3mmぐらいの小さな穴から開けていく。

ここでニップル用のタップ切りを行うのだが、今回入手したタップでは正しいテーパーのトコまで切り進められない(突き当たるので)コトが判明したので、新規に短ネジタイプのタップを発注した。ここは次回の作業となる。

次に、カバー側の通路を塞ぐ。塞ぐ位置はニップルの中間地点として場所を決める。次に、この場所をφ5mmのドリルで浚う。電動では危険なので、ヲイラはホルダに取り付けたドリルを手で回す形で少しずつ掘り下げていく。最後にスパイラルタップでM6のネジを切る。

で、ココにM6のイモネジを入れる。長さの調整が必要なので、何度か削って合わせ込む。また、先端3mm程度は雌ネジがない(スパイラルタップの先端部の関係で)ので、イモネジの先端のネジ山を少し削っておく。最終的に、ツライチになるように調整する。今回の例では、イモネジの長さは24mmぐらいになったが、基本的には現物合わせになる。

今度はエンジン側の加工を行う。まずはガスケットを全周剥がす。ここでもKTCのスクレーパが大活躍である。次にカバー側と同じような加工を行うが、こちら側は通路の幅が広いのでφ5mmで浚う必要がない。直接スパイラルタップでネジ切りを行う。で、同様に長さを調節し、ツライチになるようにする。こっちは長さ14mm程度になった。位置はカバー側と同じが望ましいが、数ミリズレたところで問題にはならない。今回は5mmほどズレている。

今回の大きな作業はここまでやが、後一つだけ部品の加工をしておく。今回の改造ではオイルをカバー側にあるニップルからオイルクーラーへ引き込むわけだが、カバー側の通路は実は少し狭い。従って、エンジン側の通路を生かす必要がある。オイルポンプの出口もエンジン側だしね。

で、ガスケットの「閉鎖加工よりもオイルポンプ側」に、少し穴を開けておく。こうするコトで、エンジン側の通路を通って上がってきたオイルがカバー側へ流れ、スムーズにオイルクーラーへ油が流れるハズである。今回は幅5mm、中心点間20mmの長穴を開けておいた。これは断面積的に、オイルクーラーから降りてきてクランクとシリンダーへ分岐する場所に開けてある穴(写真内の一番大きな穴がソレ)に近いサイズにしてある。

さて、続きはタップが到着してからやな。

(2020/05/16追記)

短ネジタイプのタップが到着したので、それを使って再度ネジを切り、ニップルをねじ込んでみた…

これ、まずくね?(^_^;)。いかに短ネジタイプのタップといえど、ここまでしかネジが切れないコトが判明した。んで、急いで対策を考えてみたんだが…あるクルマ用のチューン部品を出してる会社がオプションで出している部品の中に、同じネジ形状で少し短いニップルがあるコトに気づいた。上記リンク先の「アダプター AN#6-NPT1/4 63558」がソレ。ここには画像がないが、オクで売ってるトコに画像があった。

で、当該部品が到着したので早速取り付けてみると、これならいい感じかな…と。

これでようやく、このカバーを組み付けるコトができる。次に時間が取れたときに組み付けよう。

(2020/05/17追記)

ちょっとした時間が取れたので、カバーの組み付けを行う。まぁ、バラした時の逆順なだけやが、クラッチのプッシュ用のコマをカバー側、クランクへのオイル供給用のコマをクランク側に忘れないように入れる。また、ノックピンを先に本体側に差し込んで起き、そこにガスケットを引っ掛ける。後は慎重にカバーをとりつけ、いつもの対角締で固定すれば完成。

ところが、実際にホースを取り回そうとしたところ、カバー側のニップルにストレートのフィッティングだと干渉するコトが判明した。ホースの取り回しから考えて45度のニップルを使うことにし、速攻で発注した。

(2020/05/18追記)

とりあえず、実験用にビニルホースを買ってきて、使うアテのないストレートフィッティングにつないでオイルの流れを確認してみた。

そこそこの勢いでオイルが流れていくな。ま、これなら大丈夫やろ(^_^;)。

あとはフィッティングの到着待ちやな…発注先がeBay経由の中国方面やし、1ヶ月ぐらいかかるんやろか…。

(2020/06/15追記)

案の定、1ヶ月ほど掛かってフィッティングが到着したので、早速作業を行なった。ホースをカットしフィッティングを取り付け、内部を洗浄ののち、装着。炎天下での走行試験を行なってみた。

なお、オイルの量はオイルクーラーやホースに食われる分は多めに入れる必要がある。満タン状態からエンジン掛けてしばらくして停止しオイル量を計測すると、すでにゲージ下限以下になっていたので、約300ccほど追加投入した。

走行後の確認で特にオイル漏れもなく、ゴミの噛み込みもなかったようで、順調に動作した模様。ドレン計測70度以上の油温に対して、概ね停車時から5〜8度程度の温度低下を確認。停車時に一度100度程度まで上昇したが、走行すれば95度程度まで下がるのでヨシとする。

以前だとパーシャル走行時にジワジワと油温が上がるという状況があったが、オイルクーラー装着後は微妙に上昇するものの、ホボ安定といった感じ。ただ、気温30度近い状況だったせいか、大幅な油温下落はなかった。

あ、あと折角なのでオイルクーラーエレメントをシリコンワックス吹いて簡単に磨いておいた、ここまでの埃っぽい感じのが、いい感じに黒艶が出る。

ま、これでしばらくは楽しめそうである。

(2022/05/30追記)

先日北海道ツーリングをした時は特に大きな問題にはならなかったが、最近は妙に夏の気温が高いコトもあり、今のエレメントでは冷却能力が足りない可能性が気になってた。走行時に5度程度下げられるとはいえ、信号待ちが長引くと見事に帳消し&温度上昇が発生したりするからだ。

なもんで、より大きなエレメントに交換してみたいと思ったので、早速入手してみた。CBR1100XX…そう、スーパーブラックバードのオイルクーラーである(^_^;)。

幅は現在の250mmか増えて300mm、段数も4段から8段と倍である。しかし、面白いコトに現在のCBR1000F用エレメントと同じ取り付け穴ピッチ/ホース穴ピッチなんだな。つまり、ボルトオンで交換できるコトになる。

実際にはもしかするとホースの長さに問題が出る可能性はあるが、試してみる価値はある。明日、早速やってみよう。

(2022/05/31追記)

早速清掃し、漏れがないコトを確認してから取り付けてみた。取り付けタブの前後の関係で取り付けボルトを長くし、かつ15mmほどスペーサを入れる必要があったが、ボルトオンで完了した。

以前の写真と比較してみると…

わははは、でけー(笑)。さて、これで温度変化がどうなるかしら…。

(2023/08/28追記)

すっかりココの追記を忘れていた(自爆)わけだが、結果からするととても良好なコトに。夏場でも100度ぐらいまでで止まるし、冬場でも75度ぐらいまではすぐに上がる。このまま使い続けるコトにした。

で、別件を一つ。

従来からドレン交換タイプの油温センサは邪魔(オイル交換時に面倒/配線が面倒)やなと思ってきたんやけど、ある時ふと思って探してみたら、エエモン見つけた(^_^;)。

ホースのカプラ部分に挟んで、何らかのセンサが取り付けられるアダプタなんてのがあったのな。センサのネジはNPTの1/8らしい。ヨシムラのセンサにはPT1/8ってのがある。なので、モノタロウでアダプタ買って組んでみた。

オイルがセンサに触れてくれないとアカンので、車体取り付け時はセンサを下に向けて固定する予定やが、これでオイルクーラーの入り口で油温計測できるようになった。

なお、NPT1/8とPT1/8はピッチは同じなのだが山の角度が違う。ねじ込んでみると残念ながら通路をホボ塞いてしまうまで捻じ込めてしまえたので、アダプタを使った。

北海道から帰ってきたら、取り付け作業しよう。

(2023/10/16追記)

北海道から帰ってきてだいぶ経過してるが、ようやく取り付けた。というのもクーラー自体のフィッティングの向きの関係でエルボがないとマズいコトになりそうだったから。

とりあえず、取り付け後の写真を

エンジン始動して、オイル漏れがなく油温が正常に表示されるコトを確認した。センサを下向きにしているのは、オイルがセンサに必ず当たるようにしてるから、上向やと気泡が入って油温がわからなくなる可能性があるからねぃ。

あと、ホース側のフィッティングを首振りOKタイプにしといて良かった(^_^;)。

(継続中)

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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