ボトムアップ的な製作とトップダウン的な製作と…

ここ数年で今の所2件、あと、過去いた会社で1件、似たようなケースに出会ったので、それらに対するヲイラの今の考えを記しておきたい。

何かを作る時、最初から間違えようとして作るってコトはたぶんレアだと思う。みんな自分の思い描いた何かを正しく作ろうとする。ま、思い描いたモン自体が間違っている可能性もあるがココではそれは触れない。

さて、作るモンの規模が目の前で何個かハンダして終わるとか、ちょっと数行のコードを書いて終わるなんてレベルであれば、特に何をするってコトもないと思う。が、この規模が大きくなっていって、長大な積み重ねが必要になった時、その途中のどこかで間違うという可能性は常に存在するコトになる。そして、それは「最初の行程の問題が最後の方で発覚するほど被害がデカい」という当然の帰結になる。

たとえば回路設計を間違えたまま基板を発注し、ハンダして実際に動作させたらアウトなんて場合、そこまでのコストはすべて無駄になるってコトやね。これは分かりやすいお話やと思う。

で、そういうのを防ぐためにどうするのか?というと、途中にチェック機構を設けて段階的に確認を行い、最後に出るのは製造上の問題だけに絞る…という手法になる。これもまぁ、理解はしやすいお話だろう。途中のチェックのために途中の試験環境を設けたり、ジグを製作してそもそもバラつきを抑えたりってのもその範疇かな。

さらに、これが多人数/多年度に渡って行う作業の場合は、情報の受け渡しが必要になってくる。何らかの方法を用いて情報の共有を行い、お互いに間違いがないように相互にチェックするとかやね。そうすると、当然いわゆる書類…ドキュメントの類を整備していくコトになる。リファレンスが誰かのアタマの中だと毎回ソイツに聞かねばならぬってコトになって不便極まりないので、必要な項目を全部書き出しておくってコトやな。

一般に仕様書とか設計書ってのは、この辺りの書類のコトを指すとヲイラは思ってる。内容はともかく、何をしたいのかを共有するための書類を残していくというのは、過去ログとしても重要な場合もある。

さぁみんな、全ての書類をガンガン書こう…

とは、実はヲイラは思わないんだな、これが(^_^;)。もちろん、必要なものについてはガッツリ書く。たとえば今やってるお仕事で言えばXBUSの概略仕様書なんかは結構ガッツリと書いて公開している。ちなみに、アレがなんで「概略」なのかというと、基本的にRCサーボを使う側のコトしか書いてないから。しかしながら、では全ての局面においてこれらが必要なのか?というと、それは違うとヲイラは考えている。

なぜか

理由は「そういった書類を維持管理するコトにもコストが掛かる」から。さらには「安易に書類化してその後更新されなければ、それは最悪の場合偽情報として後日別の混乱を招く」という問題まで発生させるのね。現にヲイラの見てきたいくつかの作業においても、モロにそういう問題が発生している。

作ったモノに更新が必要なように、これらの書類にもまた同時に更新が必要になってくる。このコストって結構バカにならないのよ。これを安易に捉え、なんでもかんでも書類化すれば問題がなくなると思っているのは、ナントカの一つ覚えでしかないと、ヲイラは思う。

とはいえ、何も記録を残さないというのもまた、後日のトラブルの元になるのは言うまでもない。従って、ヲイラの思うトコロでは必要最小限の要点(何がしたいか、大枠的にどう実装したか)のみまとめた書類だけ整備し、残りは設計情報への付帯(コメント文とかね)情報で整理していくしかないのではないか?と思っている。

で、その付帯情報でさえも実は更新を忘れるケースが少なくないぐらいなので、ましてや別途作った書類の更新が必ず行われるなんてのは、よほど専用にコストを掛けてそういった体制でも作らない限りは、ありえないんぢゃないかしら?って思うのよ。

さて、世の中の製作物って種々雑多色々あると思うのだけど、果たしてこういったコストを掛けてまで体制を作って維持管理せなアカンもんって、どれだけあるのだろう。金融とかインフラ系なら、当然これぐらいはやってもらいたいよね。だけど、一般家電とか趣味レベルの製品でココまでやる価値って、果たして存在するのかな?と、ヲイラは思う。

つまり、これは「良い悪い」の問題ではない…と思っている。適材適所というか、ジャンルによって異なるアプローチが必要なのだ…というコトではないかしら。こう言うと、特に上記のような体制づくりを是とする人たちからは「そんなイイカゲンなコトやりやがって」と馬鹿にされるコトが多いのだが、ではアナタが普段使っているその安い製品は、どれだけそういったモンを積み上げてあると思っているのか?ってコトなのよ。

「作り逃げ」というと聞こえは悪いが、どんどん開発されてガンガン捨てられていくようなモンに完全な書類の整備なんてコトをやっていたら遅れていくのは目に見えているわな。だから、それぞれの製品なりにおいて、どれぐらいのセンで妥協すべきかをキチンと見極める必要があると思っている。

当然、開発規模によってもその管理形態は違ってくるし、そこでなんでもかんでも四角四面な管理を求めた時点で、たぶん何も動けなくなって終わるのが目に見えているのよ。

混乱を恐れるあまり、なんでもなんでも杓子定規に処理しようとするのは、逆に能力不足ではないのか?と、ヲイラなんかは思う。そういった見極めが適切にできるというのも、一つの能力だと思うから。どんなモンにも管理をガッチリやって当然と言ってくる人がいたら、その辺をちょっと警戒するコトをオススメしたい。

以上

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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