[EuroRack] TR-808のタム/コンガを作ってみよう(2021/09/23追記)

クローン製作の第四弾は、千のナイフの冒頭をやってみたくて、タムを作ってみようかと。ただ、実は実機におけるこの回路はコンガと共用になっているので、合わせてコンガも作ってみようかと…

今回もネットに転がる回路図を読み、タムの音源に関連する部分を抜き出して新たな回路図として整え、そこからパターンを生成し、実際に基板を作ってみた。とりあえず、トリガ、アクセントの入力を備え、トーン調整ができ、音声出力が出るという形になっている。

今回チと厄介なのは、タムもコンガもハイ/ミッド/ローの3種類があるというコトだ。実機の回路図を追いかけると、似たような、それでいてちょっとずつ違う回路が3つ描かれていて、それぞれにタムかコンガかの切り替えスイッチが含まれている。

スイッチの役割をよく検討してみると、概ねこういうコトをやっているのがわかる。

  • ピンクノイズの回路はタムの時だけ接続され、コンガの時には使われない
  • 太鼓としての音程を決めるCRのいくつかに対し、タムの時やコンガの時で並列にCRを接続し、パラメータを変化させている
  • ハイ/ミッド/ローのソレゾレで、音程を決めるCRの値を違えてある

従って、並列部分を単一のCRとして設計し、種類毎にCやRを並列にした時の値のCRを実装するようにすれば、切り替えスイッチをナシにして、同じパターンの基板で6種類全部の製作ができるコトになる。後はこれまでと同じような追加回路を仕込んで基板を仕上げてみた。

で、実際に音を出してみたんやが、なんかネットにある音と異なる。調べてみると、ピンクノイズが全く加算されていないコトが判明した。原因を当たっていくと、どうやらホワイトノイズ発生回路が古いタイプやと、出力が今ひとつ足らず、ピンクノイズのためのフィルタが作動してないコトがわかった。ホワイトノイズ信号が全部、入力に入る前に消えてたのね。

で、無理矢理回路を変更し、新タイプのホワイトノイズ発生回路に作り変えると、キチンとピンクノイズが生成されるようになった。

このピンクノイズが存在するか否かは結構大きな違いになっている。ノイズ無しの音やと、こんな感じになってしまう。

なんというか、安物のリズムマシンのタムならこんなモンかな…って感じやな。ところが、これにピンクノイズが加算されるとこうなる。

太鼓の胴鳴りのような効果を追加しているんやね。確かに、コレがあるかないかで大きな違いになるのがわかった…というか、よくこんなん設計したもんやな…凄すぎますわ。

で、ここまで完成できたので、今度はコンガの試作をやってみる。別の基板に部品を実装してみたのがこれ。

タムと比較するとわかるが、真ん中辺りのホワイトノイズやピンクノイズの生成回路が全部存在しない。また、実装されてるCR類もコンガ用に若干違う値になっている。この回路から出てきたのがこんな感じ。

どちらもロー…つまり、ロータムとローコンガなのだが、ピンクノイズのないロータムと比べても音の高さや減衰する雰囲気が変えてあるのがわかる。CRの値を微妙に調整するコトで、同じ回路でもこれだけ音が変わるんだよね。この辺がアナログ回路のオモロいトコやな。

さて、タムはノイズ系の回路更新があるので新規に基板を起こし直さないとめんどくさいが、コンガには関係ないので、今回の基板で残りのミッドコンガとハイコンガを組み立ててしまうか。見た目はローと全く同じなので、写真は載せないけど(笑)。

(2021/09/23追記)

ホワイトノイズの回路を書き換え、基板を作成しなおし、改めてタムを実装してみた。

まずはハイタム。まぁ、こんなトコロか。

次にミッドタム。これもこんな感じかな

そして、新基板でのロータム。当然、問題はないな。

というわけで、この項の締めくくりはやっぱりコレやな(笑)

とりあえず、完了とするか。

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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