[Camper] 木製キャビンって重い?(2022/12/29追記)

今回のキャンピングトレーラ製作にあたって色々と調べるコトがあるのやが、一部のサイト等に「木製は重い」って記述があって、最近特に不思議に思っている。そこで少し気になるコトがあったので、記しておこうかな…と。

筐体製作の工法って色々あるけど、とりあえず今まで見てきた中でいくと

  • 木造(柱が強度構造であるもの)
  • 木造(パネルが強度構造であるもの)
  • 金属骨格系
  • FRP等のモノコック系
  • その他

って感じに分類できると思う。で、全体的に評価を見ていると「木造は重い」ってコトになってるみたいやな。確かにFRPに比べれば重くなるかもとは思うんやけど、金属骨格系に比べても重いって評価が結構あるみたいで、実はとても不思議

例えば軽トラキャンパーのキャビンを100キロ以下で製作ってコトになると、確かに木製では非常に厳しい。また、幌の類と比較しても確かに重くなるのは間違いなかろう。一部にはスタイロフォームとFRPで思いっきり軽量にって話もあるようや。

しかし、そこそこ堅牢な床/壁/天井を持つキャビンを木製で製作するのは、そんなに重くなるのだろうか?という疑問が最近湧いてくる。

今回のウチのに関して、その計画当初はその重いという言葉にビビり、色々とどう軽量化するか?みたいなコトを考えていたりしたんやけど、実際に組んでいくと思ったほど重くならないコトがわかってきた。なぜそうなのか少し考えてみたんやけど、もしかして重いと言ってる人たちは、選択する木材や工法を間違えているのではないか?という気がしてきた。そこで、その辺りをチョイと書いてみよう。

●木材の材質

木材と一言で言っても、実はその種類には恐ろしく幅がある。性能に関して言うなら、比重がいくらであるかと強度のせめぎ合いの話になるのやが、その観点で見た時に不思議な作例を多々見かける。というのも、木製キャビンを製作する場合に2×4材とか2×2材と使おうとするケースを多々見かけるからなのね。確かに安価でありドコのホームセンターにも大抵在庫があるのは便利なんやがね。

木材って木の種類で大幅に比重が異なる…というコトを知る人は少ないのかな?とか思ったりする。クッソ重い方では黒檀や紫檀(この辺りは水に沈むぐらい重い)、クッソ軽い方ではバルサ(当然、強度もほとんどないケド)と、実は結構種類で比重が違うのよ。

検索してみたら、良いサイトがあったのでリンクを掲載しておこう。コッチも良いかな。無論、木材はその乾燥状態によっても比重が変化する。従って必ずその比重になるというワケではないが、平均的な値がいくらであるのかってのは重要や。

よくある2×4材ってのは、大抵ホワイトウッドかSPF(スプルーフプルース、パイン、ファー)材ってコトになってる。それぞれ0.46、0.46、0.45、0.48あたりかな。

一方、今回ヲイラが採用したのは杉や。こっちは0.38と格段に軽いのよ。

あと、材木の寸法の問題もあるだろう。大抵は2×4材を使っていて、時々2×2材を使ってるってケースが多いんとチャウやろか。2×4材は断面が38mm x 89mm、2×2材は38mm x 38mmとなっている。

一方、今回ヲイラが採用したのは30mm x 40mmの角材や。ホームセンターの資材系のトコで野縁って名前で普通に置いてある寸法やな。6本ナンボでソコソコ安く買えたりもする。長さも長いのは3mとかある。2×4材どころか2×2材に比べても細いと思うかもしれないが、実際にはそれなりに強度も出ているので問題はなさそうや…というか、実際に組んでみると思ったよりもシッカリとしてて、かつ軽いので冒頭の疑問が湧いてきたってワケやな。

●筐体の構造

結構多くのケースにおいて、柱と梁という日本の木造建築っぽい工法を取っている例を見た。当然、四角く組んでるだけやと歪むので、「はすかい」を入れて補強している。そして断熱用のスタイロフォームかグラスウールを入れ、合板で内外を閉じ、外側に防水のシートを巻いて、さらに外壁材を固定って感じか。

でもこれ、場合によっては無駄が多くないかしらね。内壁側に合板を持ってくるのはワカる。しかし、外壁材にも木材を貼るなら、外壁側の下地の合板は不要ではないかと思うのだ。無駄に厚くなるからね。

従って、ヲイラが取った工法はパネル工法になった。各壁や床、天井毎にパネルとして製作し、最後に合体って感じやね。先に内装側の合板をベースにしてパネルを組み、全パネルを組み合わせて接着/ネジ固定後に外側からスタイロフォームを入れ、外壁材で封をするというのがあらまし。床と天井は先にスタイロフォームまで入れて完成させておく。そうするコトで、残りの作業が格段に楽になるから。トレーラの台枠の上に積み上げて組んで行くだけで済む。

この手法のメリットにはいくつかあって、組み立てがラクなコトの他に、寸法が狂いにくいってのが大きいかな。なぜなら、内装用の合板でキッチリと寸法を出してあれば、骨格の杉材をそれに合わせて調整するだけで正しくなるから。

ちなみに内装用には3mmのシナベニアを使っている。これは内壁を塗装仕上げするのにラクだから。杉材の骨格をコーススレッドで組み立て、これにシナベニアを接着&タッカー固定する形でパネルを製作してみたんやが、これだけでも強度は充分な感じがするし、軽い。外装側の羽目板ぬきの段階で前後のパネルで7kg程度、一番デカい右パネルでも10kg程度なんだわ。

これにスタイロフォームを仕込んだトコロで2キロ増えるかどうかやし、外装の羽目板(当然コレも杉)を取り付けても倍ぐらいにしかならんのよね。となると、概算で壁だけで概ね70kg程度ってコトになる。床が実績で約30kg弱、天井も恐らく同じぐらいと考えると、箱全体で130kg程度で出来上がるワケや。あとは窓とドアやけど、合計しても10kgもいかないやろ。

これを重いとは思わんのやけどなぁ…。ちょっと凝った軽トラキャンパーでも恐らくは200kg程度で済むハズなワケでね。軽トラの最大積載量は350kgやから、各種の荷物を積んでも余裕のハズなのな。

確かに100kgを超えたら自力での上げ下ろしは厳しかろうけど、じゃあ80kgならイケるのか?というと多分無理で、50kg辺りでナントカってトコやないかなと思う。つまり、上げ下ろしを考えるにしてもどのみち何らかのアシスト機構が必要なハズやねんな。だったらそれなりに堅牢に作れる工法の方が何かと良いのではないかと、ヲイラなんかは思うんやけどねぇ…。まぁ、ウチはそもそも上げ下ろしも嫌なので、登録そのものを8ナンバーにするつもりでおるんやけど(笑)。

●防水関係

例の防水シートの性能を疑う気はないのやが、本当に必要かどうかはよく考えなアカンと思うんよな。というのも、このシートがあると「外壁材を強度部材にできない」という問題が発生するからね。外壁材で雨を遮断できるなら、シートの意味はないと思うんよな。むしろ外壁材を強度部材にできなくなるせいで無駄な構造が増え、これこそが重量増の原因の一つではないかと思うのよ。

ウチの場合、外壁材を構造部材にするため接着とビス固定を併用する。この時、継ぎ目とかにもたっぷりと接着剤を塗布するコトで水が入り込む隙間を無くす予定にしている。また、すべての材木にはカット後に防腐防虫剤を塗布した。塗ったことがわかりやすいよう、黒とか濃い色のものを使っている。これが効果を発揮するなら、多少内部に染み込んだトコロで大事にはなるまい。

無論、外壁材を組みつけた後は油性のペイントをガッツリとハケ塗りしてやる予定。これだけでも隙間が埋まるし耐水性が上がるからね。予定はクリーム色かな。下塗りの防腐防虫剤の濃い色を覆い隠すぐらい塗り重ねてやれば、良い感じの塗膜になると予想してる。

まぁ、ココはこれからなので、結果をお楽しみにってトコやな。

というワケでこれから自作を考えてる人は、木材の種類とか断面寸法までよく考えてから工法を選択されるコトをオススメします。

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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