[Audio] パワーアンプを作ろう 第二幕(2024/04/08追記)

OPAmpベースのはできた。では、次は…

●脳内妄想段階

OPAmpベースの無調整型パワーアンプは、そこそこの修正はあったもののチャンと動いてしまった。ノイズも感じられないし、歪んでる感じもしない。室内で充分な音量も出る。アタック感も良い。

ただ、電子回路を弄ってるという側面で見ると、どうしてもOPAmpに「頼って」しまってる部分が少なくない。ならば、ここは一つトランジスタ回路のみで組んでみるのはどうか…と、思ってしまった。思ってしまったのだよ。

そうなると、参考回路はもうアレしかない。クリスキットのP-35IIIやな。今の所、ヲイラの中では至高のパワーアンプやと思ってる。かつて自作したアンプなど下の下であると打ちのめされたのは、このP-35IIIの音を聞いたから。ならば、クローンとまでは言わなくても近い回路構成で組んでみようと思った。出力は今回も数W程度。それなら、もしかするとなんとかなるかもしれない。

そして、どうせなら今回も同じ縛りにするコトにした。そう、秋月B基板サイズ。恐らくほとんどの部品が縦実装になるだろうけど。

●ざっくり皮算用(回路構成とか計算とか)

今回は最初から中点生成回路を念頭に組むので、電源としては±9.5Vになる。理論上は8Ω負荷で5W程度まで出せるハズやな。ダイヤモンドエミッタフォロワと違って、フルスイングできるハズやし。

回路構成はP-35IIIと同じとする。つまり、初段がPNPの作動回路、二段目がNPNの電圧増幅回路、三段目が終段駆動回路で、四段目が終段やな。三段目と四段目でSEPP構成になってる奴。

三段目のベースはダイオード2直列+トリマVRでバイアスを設定すると同時に、ダイオードを終段と熱結合して熱暴走を防ぐ構成とする。OPAmpベースと同じ放熱器を並べるので、ダイオード、三段目、四段目をまとめて熱結合する感じになるかな。

P-35IIIの場合、電源にレギュレーションが入ってないせいか、初段や二段目への電源供給回路がかなり慎重な感じでフィルタが多いんやけど、そこはサクっと省略してシンプルにした。OPAmpベースのアンプで見る限り、電源に起因するノイズは全然感じられないので。

あとは駆動電流を想定して各抵抗値を暫定決定していく。どうせ実働させたらいろいろ調整せねばならんだろうけど。

初段や二段目に使うトランジスタは、OPAmpベースの時に最初に使うつもりだった小信号ローノイズのものを流用するコトにする。余ってるからね。三段目と四段目もOPAmpベースに使ってるトランジスタをそのまま使う。性能が悪くないコトがわかってるからね。

さて、とりあえず基板を発注するか。

(2024/03/26追記)

発注してあった基板が到着した。

なんというか、昔のトランジスタラジオ並みの部品密度でんな(笑)。手持ちの部品を組み付けるトコロから始めてるけど、いくつか部品が足りないんで、また八潮まで行かねば…

(2024/04/01追記)

●実験開始

ある程度部品が揃ったので実装。今回は安定動作させるまでが大変やと踏んで、とりあえず片チャンネルだけ。壊すのもアホらしいからね。

パワー系のトコはこうなってる。ラグ板曲げて、バイアス用のダイオードを抱え込ませてるのな。真面目にやるならグリス塗るなりエポキシで固定するなりやけど、今はとりあえず。

で、ダミー負荷つけて順番に確認していったんやが…発振もしなければ、大幅な発熱もない。

いや、正確には終段バイアスの電流を増やしすぎたら派手に発熱するんやけど、クロスオーバー歪みを見るに2.5mAも流していれば充分っぽい。終段のエミッタ抵抗2つの両端で計測して1mVやな。この状態ではホンノリとすら暖かくならん。下手に25mAとか流したら、あっという間にチンチンになりよるし。基本的には初期動作分のバイアスが掛かっていれば問題はないので、これで良しとする。

初段のオフセット調整も実にスムーズに調整できて、4ケタのテスタで0Vになった。こんなに調子良くてええんか?と思いつつ、意を決してスピーカを接続し、音源つないで鳴らしてみた。

なんか、メッチャええ音で鳴るやん。

その後、ポテンショの調整範囲をもう少しやりやすい位置になるように前後の抵抗値を計算しなおしたり、増幅率決めてる抵抗値を計算しなおしたりして回路図にフィードバック。足りない部品を発注して終わり。

これはアレやな。参考にしたクリスキットP-35の考え方のおかげやな。故 桝谷御大のご加護と言うべきか。ありがたや、ありがたや…。

(2024/04/08追記)

●ランニング試験中

現在、前回のデータを元に一部のパラメータを変更し、左右とも部品実装して組み上げ、ヒマがあったらずっと曲を流しているのやが…これは良いな。

音のアタック感が非常に高く、全体的にクリアな音がするし、ノイズもない。オマケに、ず〜っと鳴らしていても終段トランジスタの温度は30度チョイ程度。前回のダイヤモンドエミッタフォロワの回路とは比較にならない効率の高さ。まぁ、あれは無調整で済むってのがメリットなので、それはそれで悪くないのだけど。

で、ココに来て一つ疑問が生まれてしまった…それでなくても廃番が進み、各店の在庫が欠乏しつつあるオーディオ用の電解コンデンサにこれ以上頼るべきかどうか…やな。

ご覧の通り、既にアンプ部にはOS-CONを投入しており良い感じに動作しているワケで、あとは電源のコンデンサをどうするかってコトになる。

基本的にオーディオ用と称する奴は、同容量の一般のものよりもデカいってのが厄介だからね。とは言え、逆にOS-CONなんかは1000uF程度が限度なので、使うなら2パラぐらいはしないとマズい気がしている。そうすると、逆にフットプリント的には厳しくなっちゃうんだよな。今載せてる奴はφ16mmなので、φ10mmのOS-CONやと2個載せるのはかなり破綻するワケよ。

で、色々調べていくと同系統の高分子固体電解コンデンサの中にφ8mmで1200uFとか1500uFなんてのが存在するコトに気がついた。1500uFのものはφ10mmで16mm高かφ8mmで20mm高なんやが、φ8mmのものはデジキーぐらいにしか在庫がない。1200uFならRSとかでもサクっと買えるコトが分かった。

なので、次回基板はコンデンサ部のパターンを変更し、φ16mmが2個かφ8mmが4個かを選べるようにした。もう少し様子を見て、改善点が無くなったら次バージョンの基板を発注するかな。

(継続中)

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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