[CB125T] ブレンボキャリパ換装(2020/09/26追記)

とりあえず、案の定フロントブレーキがあまりにプアなので、車両到着前から検討していたフロントブレーキのブレンボ化作業を…。

なんで車両到着前から検討できたのかというと、実はCB125Tのフロントブレーキ周りの寸法は、CB-Fと概ね同じというコトがわかっていたから。ブレーキディスクもCB-Fのものが流用でき、それだけでビッグサイズになるのですな。

で、ここに定番のブレンボ4POTを投入しようかと…CB-Fだとコムスター部の幅問題があってφ276mmのディスクでは色々厳しいのですが、CB125Tのキャストホイールの場合はその問題もまったく無いみたいなので、最初から普通の4POTを投入する予定で色々作図しました。

ネットを検索してみると、実はブレンボのキャリパってある程度の寸法図は公開されてるんですね。コレと実測データを使い、いつものAlibre(3D CAD)でサクサクと作図したのがこちら。

発想としては、コレをフォークボトムにボルトナットで固定(左側の2つの穴)、スペーサをカマしてキャリパを固定(右側の2つの穴)すればイイかな…と。計算すると、スペーサは11mm近辺らしいので、市販のM10/t10mmのアルミスペーサを使い、あとはシムで調整するコトに。

で、とりあえず仮チェックってコトで、3Dプリンタで出力して当ててみるとこんな感じ。

まだディスクは元のままなので、キャリパの位置がヘンに見えるけど、一応大丈夫っぽい。少し不安のある部分を修正して最終版とした。

コレをアルミから切り出すワケだが、当初は自宅のCNCフライスで切り出す予定だったのだけど、最近ミスミが始めたサービスが面白そうなので、まずは仮に見積もりを取ってみた…4500円ほどで切削と白アルマイトまでやってくれるらしい。しかも、8/31までは二割引なので3600円程度…コレはサッサとやるしかないな(爆)。

早いとこ、ディスクを確保しようっと。

(2019/08/24追記)

部材も揃ったし、ミスミの切削サービスの割引期間がもうすぐ終わるので、さっさと色々作業した。

まず、到着したCB750FAかFZ辺りのディスクとCB125Tのディスクの比較。さすがにこの差はデカいな。245mmと276mmだもんなぁ。

で、今回はディスクを固定するのに特殊な方法は取らず、カラーと通常のボタンボルトで固定した。というのも、CB750Fのディスクはφ8mmの穴、CB125Tはφ17mm程度の座繰り付きφ10mmの穴と、実は穴の仕様が異なる。これは同じM8ボルトでも、CB125Tの場合ではディスクとホイールに入ってすぐの辺りまでをφ10mmの段にしてある段付きボルトで固定しているため。一部にはCB750Fのディスクに削り込みを行なって同仕様にするケースもあるようだが、ヲイラ的には「そもそもCB750F自体がM8の単なるボルトで問題なかった」ワケなので、気にしないコトにした。

とはいえ、ホイール側にもφ10mmがハマる部分の先にM8のネジが切ってあるので、そのままだとブレーキング時にヨレ曲がりやすい。そこで、内径8mm/外径10mmのカラーを投入するコトにした。ボルトは六角ボタンボルトで材質はSCM435…いわゆるクロモリ鋼のボルトを使用する。ここに普通の鉄とかステンだと、後が怖いので…

どちらもモノタロウで手に入るんだが、結構余ってるのでオフ会とかで希望者がいたら転売でもしようかしら(笑)。5個セットで300円ぐらいかしら(^_^;)。

で、サクサクと作業を進めて組み上がったのがこんな感じ。

なお、FAとFZは1ポットキャリパだったので当たり面の幅が広い。実際にはこの2/3程度しかパッドが当たらないので、あとでペイントマーカーか何かで使わない部分は黒く塗っておこう(笑)

クリアランスを確認したところ、概ね良好な感じがする。オフセット的には現状では0.5mmのシムを1枚入れたい感じやが、これは実際のアルミの部品が来てからにしよう。さて、これもミスミに発注するか。

(2019/08/26追記)

部品屋でホースを買ってきたので、早速取り付けてフルードを入れ、怒涛のエア抜きを行なった。久しぶりにやるエア抜きがなかなか進まないのだが、今回のホースはバンジョー等が外せるタイプなのと、キャリパ側をアダプタ方式にしたので、一旦アダプタのトコでホースを外して作業した。

キャリパ側はブリーダからシリンジでフルードを逆流させ、アダプタから溢れてきた時点で第一次エア抜きは完了。マスター側はリザーブタンク底のフルード穴に、シリンジからのゴムホースを押し当ててマスターカップ内部に強制注入した。

実はブレンボのマスターを使ったエア抜きは今回が初めてなんだけど、これレバーを握らない状態であってもほとんどフルードが入っていくスペースがないのな。なので、ブレーキホースを接続した状態でキャリパ側から逆流させようとしても、リザーブタンクへなかなか抜けてくれず、うまくいかなかったのよ。なので、ブレーキホースからフルードが排出されるまで、上から穴に強制的に押し込んでみた。

その後、ブレーキホースをキャリパアダプタに接続し、本来のエア抜き開始。すでにこの時点で2時間は経過しておりヘロヘロだったんだけど、この作業は途中で止めるワケにはいかないので、ひたすらブレーキレバーとブリーダを操作しまくり〜の、フルードを継ぎ足しまくり〜の。

それでも後から後からエアが出てくる。ブリーダからも、リザーブタンク底の穴からも。いつものホンダのDOT4の缶、たぶん半分ぐらい捨てたね(笑)。とりあえず2時間ぐらい格闘し、それなりにブレーキが握れる感じになってきたトコロで本日終了。一度落ち着けてやり、後日再度やらないと、最後のエアが抜けてくれないのよな。どうせアルミのキャリパサポートもまだ到着してないし。

とりあえず、キャリパ、ホース、マスターはこんな感じになった。スピードメーターケーブルのガイドがいい塩梅だったので、ブレーキホースもココを通してある。純正ホースの通り道はあまりに難解なので、同じコースを通すのは諦めた。マスターのブレンボロゴにはグっとくるものがあるな(当然自己満足)

(2019/08/31追記)

ミスミに発注してるキャリパサポートがやってくるまで何もするコトがないので、ついタッチアップペイントで細工を…裏側は面倒なので塗っていませんが(笑)。

(2019/09/07追記)

ようやくミスミに発注してた部品が来た。3Dプリンタ製との比較はこんな感じ。ま、当然同じ形状になる。

きちんとバリとりされアルマイトされてるので、すでに製品のようにしか見えない(^_^;)。

で、コレを使って再度組み上げ直すとこうなる。

今回はシムを入れて正しく調整した。シムの量は0.5mmを2枚。つまり、スペーサ長さは設計通りの11mmってコトが確認された。

この時の各部のクリアランス等はこんな感じ

とりあえず、この項はこれで完了かな。

(2019/09/19追記)

色々仕上がってきたので試走してきた。なんかブレーキ周りからシャカシャカと音がする。ブレーキの効き自体はチャンとしてるのだが。

帰宅して調べてみると、ディスク板の表面の荒れが場所ごとに異なる。これたぶん、もともと手に入る前の段階での、放置貼り付きの跡やな。ジャッキアップして手で回して音のする場所を確認しながら、サンドペーパーでディスク表面を磨くと、徐々に音は低減した。

(2019/12/11追記)

ほんの少しの軽量化のために、ディスクプレートをCB750FAのものからCB750FBのものに変更した。形状はホボ同じで、内側に穴が空いているもの。

右の写真を見るとわかるが、実は軽量化した穴の部分にまでパッドが掛かっている。ま、ココは平面がチャンと出ている部分なので別段大きな問題にはならないとは思うが(笑)。

(2019/12/19追記)

上記のディスク変更をやった時につまらないチョンボ。

どうもディスクの残量的に新しい方が厚かったようだ。前回エア抜き時にフルードの量をキッチリにしてたため、フルード逆流のキャパが足りず、少し高速走行すると熱で戻りが多くなってブレーキロック。

緊急的に脇に入ってマスターの蓋を緩め、圧を逃してから帰宅。今朝方、ほんの少しだけマスターからフルードを抜いて処置完了。

(2019/12/20追記)

上記のチョンボの真犯人が判明した。マスターシリンダーのリザーブタンクのキャップにある空気穴がその役を成していないようだ。

キャップ写真の左上と右下に溝があって、コレが空気穴になっているのだが、合わさる相手のラバーの当該位置(右上と左下)が、ラバー自体の膨張で溝の形に膨らんでしまっており、どうも穴を塞いていたらしい。そりゃアカンわ。

現在、近所のドゥカティショップに問い合わせを行い、純正部品として出るかどうか確認中。通販もあるんだけど、送料が残念なので…

(2019/12/31追記)

当該キャップは既にWebikeにて発注したのだが、到着予定が1/16らしいので、どっか他に転がってないか調査してる。別に二つあっても構わんしな。

で、品番をメモしておく。
Ducati純正品番:000046665
Brembo純正品番:10430860

eBayなんかにはゴロゴロしているので最悪でもココで買えば済むのだが、いかんせんお高いので国内で買えるトコを引き続き調査中…

→なんとブレンボの品番で普通に単車用品屋で取り寄せ発注が可能とのコト。早速1セット発注(^_^;)。

(2020/01/20追記)

いくつかの経験が溜まったので、恥ずかしいネタも含むが記録しておく。他の人が同じ轍を踏まない事を期待して。

まず、ここしばらくのブレーキトラブルに関してであるが、真の主原因は「交換した中古のCB750FBディスク」だと考えられる。実はこれ、思ったよりもフレが大きかった。それが色々な問題を連鎖的に引き起こしていったと考えられる。

ついで、ブレンボ4ポットキャリパの構造に対してあまりノウハウがなかったコトが挙げられる。どういうコトかというと、このキャリパはホースとブリーダの口が接近しており、それ以外のフルードの出口がないため「いくらマスターから新品のフルードを流し込んでも、キャリパ内に残った古いフルードは排出されない」という仕組みになっているコトに気づいていなかった…ということ。これはエア抜きの観点からすると決して悪い仕組みではないのだが、中古品とか放置品を使う場合には注意が必要だというコトだ。

同様に、中古のマスタについてはエア抜き穴が塞がっている可能性があり、これも事前にきちんとチェックしておかねばならなかったという点が挙げられるが、実はコレはチェックするに越したことはないのだが、おそらく大きな原因ではないと思われた。理由は後述する。

さて、ブレーキ系に何が発生していたのか…であるが、シーケンスは恐らくこんな感じだったと思われる。

  • フレの大きなディスクだったため、走行中常時パッドにディスクが擦れる瞬間があり、ディスク/キャリパが過熱しやすい状況にあった。
  • キャリパ内に以前の劣化したフルードが案外残っており、これがその熱で簡単に膨張し、その結果ブレーキがロックした。
  • 何度かそういったロックをした結果、ピストンシール周辺が若干変質し、一部のピストンが軽い固着を起こした。
  • 固着を起こした部分はディスクのフレで押し込まれたままになり、行き場を失ったフルードが他のピストンに圧力を掛け、さらに簡単にブレーキがロックするようになった。

ブレーキレバーの握り心地が徐々に固くなっていった原因はこの辺りにあったのだと思う。また、行き場を失ったフルードは本来ならマスタに戻って欲しいのだが、どうやらこのマスタはあまり大量のフルードが戻るコトは想定していない感じがする。ピストンを揉んでいる最中、マスタ側へ戻るフルードはごくわずかであり、一度キャリパ側へ行ったフルードはブリーダから排出するしかなかったのだ。従って、マスタのエア抜き穴は大事ではあるものの、今回のロックに直接絡んでいるワケではなさそうだ。

ただ、その際に出てきたフルードのあまりの汚さに、キャリパ構造に起因する注意点が存在するコトに気づけたのはよかったのかもしれない。

ピストン揉みが終わり、再度組み付けてフルードも調整しおえた状態で走ってみたところ、問題は解消されたように感じた。もう数日モニタが必要だとは思うが、問題は解決したように思う。

(2020/09/26追記)

これまた若干恥ずかしいネタを含むが、記録として残しておく。

先日、ちょっとしたロングツーリングに出たところ、帰り道の長い下り坂でまた症状が再発したので、帰宅してから色々作業を行なった。

まず、キャリパに関しては意を決して全ピストンシールを交換。その際、キャリパ本体内部を確認したトコロ、なぜか赤錆粉が大量に入り込んでいたので、全部除去清掃した。

次に、マスタシリンダをガレセで買っておいた綺麗な奴に交換。見比べてみると、なぜか穴の数が違うコトに気が付いたから。というのも、キャリパをOHした後のエア抜きが全然完了せず、二日経過しても圧が全く掛からなかったので、マスタ不調を疑い予備に買っておいた奴と見比べて気がついた。で、買っておいたマスタに交換したら、あっさり圧がかかりエア抜きもサクサク完了。

本日走行チェックも行い、タッチも元に戻った…というか、本来のブレンボのタッチになった。

で、外した方のマスタをじっくりチェックして気がついた…同じ場所に穴があるコトに…これまたなぜかサビで埋もれて真っ平らになっていたのでわからなかった(爆)。少し周囲を削りながら、最後に針でセンターを突いてやると開通した。

白っぽくなっているのは、詰まっていたカスを削るときに塗装も剥がれたため。この部分が真っ平らになるほど何かが積もり、詰まっていた。そりゃエア抜きもできんし、フルードの戻りも悪いわ。

というワケで、中古マスタには気をつけましょう(自爆)

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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