[Essay] ロボット化する…ということ。もしくは自動制御が必要な局面

ちょっと気が向いたので、コネタ話を書いてみた。年始にロボネタの話を一席。

ロボットを使うか人がやるかの問題って結構昔から散々言われてきてたコトなんやけど、未だにその線引きは難しい。色々な要素が絡むから。だけど、一つの解としてある程度限られた環境における答を並べていくのって大事やと思ってる。そこから見えてくるモンがあると思うからね。

RCって人間が無線で操縦して動くナニカって定義で良いと思うのやけど、では「全てが人力か?」というと実は案外そうでもない。端的な話、いわゆるRCサーボモータは、表向きはスティックなりスイッチなりの指示で「その通りに」アームが動くアクチュエータなワケや。しかし、RCサーボモータの中身はというと、実は一種の自動制御で動作している。外部から指示をもらい、それに忠実に動くために内部で自動制御してるんやね。

そんなん当たり前やと思うかもしれないが、実はその前段階にはロクに制御なんかしてなかった時代ってのもあるんですわ。例えばプッシュスイッチが押された時だけ電波が出て、電波が受信された時だけモータが回るなんて仕組みで動いてた奴とかね。

ここで大事なコトは、

「人力で思うがままに動かすために、実は自動制御によるアシストが必要になった」

ってトコやな。

ロボットの定義ってのも結構解釈の幅が広いお話なんやけど、一応ヲイラの中では

「入力があって、内部で自動制御して、外部の何かを動かすもん」

ってコトになってる。入力が何であるかは問わない。センサーかもしれないし、人の指示かもしれない。

この観点で先のRCを見ると、ちょっと面白いことに気づく。つまり、

「ロボットを組み合わせてロボットではない何かを構築してる」

ってコトになると思うのよ。ロボット化するってコトを考える時、この観点を考慮に入れないとアカンのとチャウんかなと、ヲイラは思ってる。特に協業系のロボットなんかはそうやね。全体として構築したいモンは実はロボットではないけど、その一部のツールとしてロボットを使うって感じかな。

なんでもかんでもロボットに置き換えるってコトを先に考えてしまって失敗する例ってのは、この辺りの考えがなかったからやないのかね。目先のロボットにだけ注目してしまってな。

もう一つの例をあげてみよう。

いわゆる人型ロボットのバトル大会において、非常に興味深いコトがあった。あるロボットは、その上半身をいわゆるトレース方式で実装してあり、操縦者の身体の動きをトレースして動作するようになっていた。当然パンチも操縦者自身がパンチの動作を行うコトで繰り出していたのな。

当然、操縦者が目で見て腕の向きとか決めているので、面白いように相手に当たるし当てる場所も思い通りなんやけど、実は残念ながらそれで相手が倒れるコトはあんまり無かった。なぜなら、人の動作が緩慢すぎて相手に打撃としてのパンチを与えられなかったからなのよな。

一方、大半のロボットはボタン指示で、ボタンを押せば(事前にセットされた)一定のモーションが自動的に繰り出される仕掛けになっている。これは当てるのにコツがいるけど、当たれば大抵相手は倒れるんだわ。

どちらもロボット自体のアクチュエータには大した違いはない。つまり、人力モーションではなかなか自動モーションに勝てないってコトなんだな。無論、操縦者が身体を鍛えていけば、打撃力のあるパンチも打てるだろうとは思うんやけどね。

ここでの気づきは

「何を自動化すべきかを良く考える必要がある」

ってトコかしら。実は先のトレース式のロボットも、下半身(=歩行)に関しては事前モーションで動作していた。つまり、人力ではどうにもならない部分は当然自動化するのが正しい…ってコトなんやろね。

また、直接的な指示ではなく概念的な指示でモーション動作させるという観点からすれば、これは間違いなくロボットと言って良いとも思うんよ。時々、この手のバトルロボットはロボットではなく単なるRCだと揶揄する声もあるのは知ってるんやけど。

何もかもを自動化し、完全自律なロボットを構築する前の段階として、こういった人の補助が入るロボットってのをもっと研究/検討しても良いんやないかな…と、ヲイラなんかは思ってる。一足飛びに完全自律へ行こうとするから無理が出るのであってね。

Zak について

基本的にヲタクです。いや、別に萌えとかいうのではなく、ハマるとトコトン進めようとする癖があるので、自制が必要だという…。
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